損害額は5億円!? マグヌッセンと接触で大破のペレス車、レッドブルには痛手とマルコ博士「予算制限下において大きなハンデ」
F1モナコGPでは、1周目にセルジオ・ペレス(レッドブル)とハースの2台が絡む多重クラッシュが発生した。これによってペレスのマシンは大破したが、その損害額もかなりのものになっているようだ。 【動画】オープニングラップに衝撃の大クラッシュ発生! ペレスのマシンは見るも無惨な姿に|F1モナコGP 事故が起きたのはスタートの直後だった。16番グリッドのペレスが1コーナーを抜け、登りセクションに向けて加速していく中、最後尾グリッドスタートのケビン・マグヌッセン(ハース)が進行方向右側から並びかけようとしたが、ペレスのリヤとマグヌッセンのフロントが接触。ペレスのマシンはガードレールに押し込まれるような形で激突し大破。近くを走っていたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)も巻き込んでストップした。 レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコはこのアクシデントについてSky Germanyに尋ねられ、次のようにコメントした。 「またマグヌッセンが絡んだアクシデントだ。リプレイを注意深く見る必要があるだろう」 「(ドライバーに)何事もなくて良かったが、非常に危ない状況だった」 このアクシデントについては、当事者たちの意見も割れている。ペレスはコースが狭くなっていく中で、後ろから迫ってくるマグヌッセンが引かなかったこと、そしてそのマグヌッセンにペナルティが出されなかったことに驚いたとしている。一方でマグヌッセンはペレスが自分にスペースを与えなかったと主張。ヒュルケンベルグは、双方が不用意で無益なアクシデントであったと断じている。 マルコはマグヌッセンにペナルティが出なかったことに驚いたかと問われると、「彼ら(スチュワード)があれほど早くインシデントを片付けたことに驚いた」としつつも、抗議をしても裁定が覆ることはまずないため、再調査の必要もないと述べた。 それ以上にマルコは、ペレスのマシンが大きなダメージを受けたことで金銭的な損害が大きく、予算制限レギュレーションが設けられている現代のF1においてはかなりの痛手だと語った。曰く、その損害額は200万ユーロ(約3億4000万円)から300万ユーロ(約5億1000万円)ほどになるという。 「(抗議によって)こういった裁定に影響を与えることはまず無理だが、第一にあれは危険であった。そして第二に、損害は200万~300万(ユーロ)になる。これは予算制限の規則下において、我々にとって大きなハンディキャップになる」 レッドブルはペレスがリタイア、マックス・フェルスタッペンが6位に終わるなど散々な週末となってしまった。マルコは追い抜きの少ない退屈なレースだったと総括し、オーバーテイクのチャンスを増やすためにコースの面で何かできるのではないかと述べた。
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