自民党総裁選での経済政策論争③:物価高対策
弱者対策へと転換する必要
仮に物価高対策を継続するのであれば、その対象を弱者に絞り込むといった転換が必要なのではないか。エネルギー価格の上昇でも生活に十分余裕がある世帯にまで補助金を出すことは、財政資金の無駄遣いでもある。しかもそのお金は、広く国民から集めたものであり、国民の負担だ。 国民のお金をもっと有効に使うためには、エネルギー価格の上昇で大きな打撃を受けている低所得世帯、零細事業者に絞ってピンポイントで補助金を支給すべきだ。 物価高対策を巡る候補者の議論が、選挙を意識して目先の国民の利益を優先する方向に振れるのであれば、それは問題だ。より中長期の視点に立って、対策の効果と負担との比較考量をしっかりと議論して欲しい。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英