【記者のベストレース2024】言葉では表現できない気持ち 帰ってきたブレイディヴェーグ/大坂寅生
大坂寅生【府中牝馬S・ブレイディヴェーグ】
今年は初戦として予定していたドバイターフを右飛節後腫で、復帰戦に定められた新潟記念も後肢の筋肉痛でそれぞれ回避となり、気づけばGⅠ戴冠から11か月が経過していた中での一戦。キャリア5戦目で前年のエリザベス女王杯を制した際は「来年はどこまで飛躍していくのだろう」と、当時、競馬記者ではなかった自分も高揚感に包まれていただけに、期待と不安が入り交じるレース前だったことを記憶しています。 頓挫が続いても3・6倍の2番人気に支持され、レースではいつも通り後方からの競馬となりましたが、直線で外へ出されるとグングン加速。これが久々のレースとは思えない圧巻の走りに、当日、休みをいただいて東京競馬場へ応援に行っていた自分も興奮気味。感動、驚愕、感服… 言葉には表せない気持ちに駆られ、改めて素晴らしい馬だと再確認しました。 祖母・ミュージカルウェイの一族からはGⅠ馬ミッキークイーンが出ている一方、けがに泣かされた馬も多かっただけに、個人的には「何とか無事に…」という思いが強かったのが、今だから言える正直な気持ちでした。宮田調教師が「外から来たときはすごい馬だなと感じましたし、本当に立派な馬です」と感動した様子だったのも印象深いワンシーンです。
大坂 寅生