後悔しないための老人ホームの選び方【介護の「今」】
老人ホームに入れたい家族と入りたくない本人、逆に、老人ホームに入りたい本人と入れたくない家族。老人ホームへの入居をめぐっては、悲喜こもごもの家族模様が展開される。入居した後も、結果オーライなら良いのだが、「本当に良かったのか」と後悔することもあるだろう。 老人ホーム選びは、本人にとっても、家族にとっても、大きな決断だ。では、どんな老人ホームを選べば後悔しないのだろうか。
◇老人ホームを定義してみる
一口に「老人ホーム」といってもさまざまな種類がある。老人ホームと名が付いている種別は、特別養護老人ホーム(特養)、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホームだが、それ以外にも老人ホームの機能を持っている施設は数多い。 ここでは、「老人ホームとは、一定の介護サービスを受けられる高齢者入居施設のこと」と広く定義することとしよう。
◇要介護認定が必要か否か
広義の定義による老人ホームの種類を理解するために、老人ホームの入居要件に、介護保険の要介護認定(要介護1~5、要支援1・2)の7段階が必要であるかどうかで、老人ホームを振り分けてみよう。 要介護認定を必要とする老人ホームは、まず介護老人福祉施設(特養のこと)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院といった3種類の介護保険施設が挙げられる。このうち、特養は要介護3以上、老健と介護医療院は要介護1以上という条件がある。この他、認知症の高齢者が少人数で生活する認知症対応型共同生活介護(グループホーム)も要支援2以上が条件だ。つまり、入居するためには事前に要介護認定を受けることが必要となる。 一方、有料老人ホーム、養護老人ホーム、サービス付き高齢者住宅(サ高住)、軽費老人ホーム(ケアハウス)は、入居後に介護保険サービスを利用することはできるが、原則として要介護認定を入居条件とはしていない(一部条件としている施設もある:介護型ケアハウスや介護付き有料老人ホームは要介護認定を必要とするのが一般的など)。