【韓国ドラマ】天才主人公を中心とした胸が熱くなるドラマ
日本における韓流ブームの立役者で韓流エンタメのスペシャリストである田代親世さんが、韓国ドラマの魅力をさまざまな切り口でご紹介!今回は、現代ではない時代を背景に、芸に生きる女性たちの姿を描いたドラマをセレクト。芸事に打ち込む姿は、見る者の心を大きく揺さぶる。 韓流名作ドラマ「芸に生きる女性たち」3選(画像)
'50年代に存在した国劇団での成長物語 『ジョンニョン:スター誕生』
ウェブ漫画が原作の、1950年代に存在した女性ばかりの国劇団でスターを目指す女性の姿を描く物語です。田舎町で魚を売って商いをしていた少女が、実はパンソリ(朝鮮の伝統的民俗芸能)の天才で、歌劇団のスターに見いだされて国劇の世界に足を踏み入れ成長していきます。 歌が得意というだけで何も知らずに入団し、そこからライバルたちと競いながら芸に磨きをかけていくのですが、天才だけに、集中しすぎて尋常じゃなく役に入り込みすぎたり、舞台全部を飲み込んでしまうような舞台荒らし的な部分があったり、荒削りだけど目を離せない魅力があって、そんな姿はまるで日本の大人気漫画「ガラスの仮面」の北島マヤのようです。そして相対するライバルには、歌に演技に踊りにすべてうまいのに、有名なソプラノ歌手の母親に認めてもらえずどこかにコンプレックスを抱えている存在がいて、この2人の、最初は反発しあうも、芸の上ではお互いのことをリスペクトしていくようになる関係性がまたいいのです。
主人公ジョンニョンを演じるキム・テリの溢れる生命エネルギーが圧巻! パンソリという伝統歌唱の天才役だけに、3年間歌の勉強に励んで挑んだそうで、劇中でそれはもう見事な歌を聞かせてくれています。恋愛対象の男性が出てくるわけではないですが、ジョンニョンに目をかける歌劇団の王子役のチョン・ウンチェの男装の麗人っぷりがなまめかしくて、これまた素敵です。劇中劇で「春香伝」や「自鳴鼓」など国劇の舞台がいくつか出てくるのですが、この舞台も韓国の文化を体感するうえで大きな見どころになっています。夢に向かって試練を乗り越え、切実に生きる人物たちの胸が熱くなるドラマです。 ■ディズニープラス スターで全話独占配信中 TEXT BY CHIKAYO TASHIRO 田代親世 韓流ナビゲーター 韓流解説、韓流イベント司会の第一人者。公式サイト「田代親世の韓国エンタメナビゲート」やYoutube「ちかちゃんねる☆韓流本舗」「韓ドラ・マスター親世と尚子の感想語り」などで韓流情報を発信しているほか、会員制のコミュニティ【韓流ライフナビ】を主宰。ツアーやイベントを企画・開催している。