JリーグMVP初受賞の小林悠を支えた美人妻「悔しいとき一緒に泣いた」
これ以上はないサプライズだった。ユニフォームを漆黒のタキシードに変えた川崎フロンターレのキャプテン、FW小林悠(30)がまばゆいスポットライトを浴びながらぼう然としている。 「個人的なことで申し訳ないんですけど、一番感謝を伝えたい人がいるので言わせてください」 横浜アリーナで5日夜に開催された、恒例の年間表彰式「Jリーグアウォーズ」。ハイライトとなる明治安田生命Jリーグ最優秀選手賞(MVP)を初めて受賞し、客席にいるとばかり思っていた夫人の直子さん(30)にありがとうと伝えた直後だった。 その直子さんが長男の結翔君(3歳)、次男の真翔君(1歳)を連れて檀上に登場してきた。 25回目を迎えたJリーグアウォーズで、おそらくは初めてとなる家族同伴の晴れ舞台に会場もどよめく。無邪気さを全開にする川崎のユニフォーム姿の子どもたちと、涙をこらえる最愛の夫人に見つめられながら、小林は感無量の思いで体を震わせていた。 まだ記憶に新しい2日のJ1最終節。ホームの等々力陸上競技場で大宮アルディージャを5‐0で一蹴した川崎は、キックオフ時点で首位だった鹿島アントラーズに勝ち点72で並び、得失点差で上回る奇跡の大逆転劇で、クラブ悲願の初タイトルをJ1制覇という最高の形で成就させた。 しかも、大宮戦で小林はプロ8年目で初めてとなるハットトリックを達成。今シーズンのゴール数を「23」に伸ばし、2差をつけられていたFW杉本健勇(セレッソ大阪)を抜いて得点王も初めて獲得した。ダブルの栄冠に表情を崩しながらも、実はこんな言葉を残している。 「シーズンを通して全試合に出ることを、個人としては一番の目標にしていたので。本当にめちゃくちゃ嬉しいですね。全試合に出れば得点も多く決められるという自信もあったので、すべてが上手くいきすぎている感じもします」 今シーズンのJ1で初めて全34試合でピッチに立った。そのうち途中出場は1試合だけで、2951分に達したプレー時間は、川崎のなかではフルタイム出場(3060分)のDF谷口彰悟、3041分のDF車屋紳太郎に次ぐ数字となっている。