【角野隼斗】東大から、ピアニストになるまで。演奏家と研究者、2つの視点を自分の 強みとしてピアニストへの道を選んだ【限定インタビュー】
東京大学大学院卒という異色の経歴を持つ世界的なピアニスト、角野隼斗。2024年10月30日、ソニークラシカルから世界デビュー・アルバム「Human Universe」が発売された。オーケスラとの共演で日本各地を飛び回る中、音楽との出会いからアルバム完成にいたるまでのストーリーをロングインタビュー。 【写真】角野隼斗さんの幼少期…インタビューの続きと写真をもっと見る!
――東大では理系の工学部を卒業されて、大学院のときにコンクールで優勝したのがきっかけでピアニストを目指したとのことですが、ピアニストになろうと思ったのはいつ頃ですか?
大学院の1年生は就活するか博士に進むか考えて、インターンをしたり研究をしたりと、将来のことを考え始める時期なんですね。音楽は大学院に入っても続けていたんですが、だんだん研究で忙しくなってきて。心の中で、ピアノと距離ができてしまうのがすごく怖かったんです。
――そのときにYouTubeを始めたとか?
いえ、時系列でいうとYouTubeはその前の、音ゲーの頃からやっていました。それで2018年、大学院1年のときにコンクールを受けたんですよ、ピティナ・ピアノコンペティションの特級という最上位のところを。そこで優勝したのが、僕が音楽に進むひとつの転換点です。
――ひとつの、というのはそこでピアニストになろうと決めたわけではないと。
優勝した頃は、研究者と演奏家、どちらの視点も持っているというのが自分の強みかなと。2019年ぐらいまではそう思っていたんですが、だんだん音楽が自分の生活のほとんどを占めるようになってきて。もっと音楽に集中したいと思ったし、研究も片手間にできるようなことではもちろんないので、結局、卒業する頃には音楽の道に進むことに決めました。2020年3月のことですね。 続きはメンズノンノWEBで!