転売ってなんでダメと言われているのですか?チケットを使えなくなった場合でも転売はNGでしょうか?
転売に関する報道を見聞きする機会が増えた昨今、「転売は犯罪なのだろうか?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか? 結論からいうと、転売そのものは違法ではないものの、扱う商品や方法によっては違法性が問われるケースもあります。 今回は転売について、その定義や禁止されている事項について解説します。悪意なく行っているものが法律に違反する可能性もあるため、注意が必要です。
転売そのものは違法ではないが注意したい
転売そのものは、意味が非常に広く違法であると一概にはいえないでしょう。しかし、あまりにも価格が不適切だった場合や、扱うものによっては違法とみなされるため注意しましょう。 ◆転売の定義 「自分が購入したものを販売すること」が転売の定義です。そのため、自分が購入した車を買い取りに出すこと、貴金属を買い取りに出すことなども転売に当てはまります。なかでも、禁止されているものを転売すると別の法律によって処罰の対象となるため注意が必要です。 ◆近年はチケットの高額転売が社会問題に 近年、SNS上でライブのチケットが高額転売されるケースが増加傾向にあります。 たとえば、本来は9000円で購入できるチケットが、10万円や15万円など非常に高額で転売されているため、本来欲しい人に行き渡らなくなっています。チケット購入にかかる手数料と考えても、9000円が10万円になるのは明らかに常識の範囲を超えているといえるでしょう。 また、転売目的でチケットを購入する人も見られ、チケット購入の正しいあり方が失われ、社会問題となっています。
チケットの高額転売がNGの理由
ここでは、転売の中でも問題になりやすいチケットの高額転売がNGである理由について紹介します。 ◆主催・演者にメリットがない コンサートや舞台などのチケットは、主催者や演者が適正とみなす価格で販売しています。チケットの売り上げから、出演者や裏方のスタッフなどの人件費、機材のレンタル費、運搬費、会場費などさまざまな費用をだしたうえで、利益を確保しているのです。 転売時の価格は本来のチケット代よりも高くなりますが、上乗せ分が主催者や演者に入ることはありません。主催者や演者にはメリットがなく、転売した人のみが利益を得ることが問題視されています。 ◆本当に必要なファンがチケットを購入できない チケットが高額になると、本来購入したいファンが購入できなくなり、開催されるイベントそのものの存在意義が問われることになります。 これまで数千円で購入できていたチケットが、転売により数万円など大幅に値上がりした価格でないと購入できなくなると、本来満席になるはずの会場に空席が目立つようになったり、「買えないのなら仕方ない」と、ファンを辞める人がでてきたりする可能性もあるでしょう。 なお、このチケット転売の深刻さを受けて、2019年には「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(通称「チケット不正転売禁止法」)が施行されています。 上記法律第3条にて「何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない」とされており、同様に第4条にて譲り受けてはならない旨も定められています。 なお、第9条には「第三条又は第四条に規定に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と定められています。そのため「ついうっかり」であっても、チケットを転売すると罰せられる可能性があるため注意が必要です。