長期投資にチャンス到来? 2025年注目株は!?【Bizスクエアで学ぶ投資のキホン#26】
――――トランプ次期政権の経済閣僚人事が出そろったが印象は? ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏: 財務長官のスコット・ベッセント氏と、商務長官のハワード・ラトニック氏は投資家。基本ウォール街の人なので、基本的にはマーケットに冷たいことはしたくないはずだ。 ――――イーロン・マスク氏も経営者なので、そういうところの感度は高いか? ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏: 彼の場合、本当何考えているかよくわからない。トランプ氏以上にわからないところがある。 警戒すべきはUSTR(通商代表部)の代表、ジェミソン・グリア氏。前回トランプ政権時に貿易交渉の首席補佐官だった。ライトハイザー氏の下で貿易交渉全部見てきていて交渉に長けている。この方がトランプ氏の指示通り「高関税」に動き出すと怖いと思う。 もう一つは、やはりマスク氏。政府効率化省の責任者だが、言ってよいかわからないが、1年後には、トランプ氏と喧嘩別れしているか、マスク氏がこの仕事に飽きて放り出しているか、そんなことになっているという気がする。 ――――今は一緒にハンバーガーを食べたり、非常に仲のよい様子を楽しそうにSNSに投稿しているが。 ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏: マスク氏がトランプ氏を支持・サポートをしている理由は2つあって、1つは、中国のBYDをアメリカに入れさせないで欲しいと。それこそ保護貿易。もう一つは、宇宙開発の規制を緩和してほしいということがあるのだろう。元々マスク氏はすごく仕事をシンプル化して、スペースXを成功させている人なので、それを国レベルでやりたいという高尚な思いがあるのかもしれないが、多分ずっとはやらないのではないかと思う。 ■トランプ新政権で、日本株はどうなる!? ――――ここまではアメリカについて見てきたが、一方、2024年の日本株を見ていく。 ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏: 前半は良かったが、改めて見ると、8月5日が一番安かった。3万1400円台で、明らかに売られすぎだった。しかしその後、ここ数か月もたついている。ダウ平均株価はもう4万5000ドルぐらいまでいっている。だいぶ出遅れ感も出てきた。企業の業績見通しがすごい慎重。それが株価の上値を重くしている一つの要因だ。もちろんここ最近円高に動いてきたのもあると思う。 ただ日本企業の業績の実態はそれほど悪くないと思う。企業側は慎重な見通しを出しているが、アナリストの予想では、2024年度も増益。5期連続の過去最高益更新が見込まれている。ということは、2025年の春ぐらいには「結局、増益で24年度も終わる」というのが見えてくる。そうなると、日経平均もいよいよ4万円回復。もう少し待たされるかもしれないが、仮にアメリカ株で大きめの調整があれば、当然付き合わなければならない。そういう場面あるかもしれないが、2025年の前半で4万円に回復すると思っている。