長期投資にチャンス到来? 2025年注目株は!?【Bizスクエアで学ぶ投資のキホン#26】
――――トランプ次期大統領は、自国の利益を優先する「アメリカ第一主義」を掲げている。世界はやはりまたトランプ氏の言動・動きに振り回されてしまうのか。 ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏: 政治も経済もマーケットも振り回されることになるのだろう。「減税の恒久化」や「法人税引き下げ」は、経済・景気にはプラスになる話だし、「減税の恒久化」は多分間違いなくやると思う。時期がいつになるかまだ読めない。 「法人税の引き下げ」もやると思うが、問題は「高関税政策」と「不法移民対策」。関税は前回、中国向けなど、結構引き上げた。日本も引き上げ対象になるのかどうか。トランプ氏は一対一で国と国の交渉をする人なので、一律にバーっと決まるようなことでもない。時期的には、前回は就任してから1年後の2018年の2月に関税の引き上げをした。今回はもう少し早めになる可能性はある。 2025年の夏ぐらいに本格化する可能性はあると思う。それから「不法移民対策」。本当に移民を追い返すことができるのか。移民で来た人たちはエッセンシャルワーカーが多い。本当に追い返してよいのかという話もあるし、実際に帰らせてしまうとアメリカは人手不足になり、賃上げしなければいけない。その分、企業は価格転嫁・インフレ…トランプ氏はインフレを抑えると言っているので、完全に真逆な政策だが、この辺もどこまで、いつのタイミングでやるのかが、まだ見えない。 ――――「減税の恒久化」「法人税引き下げ」はアメリカの株高に繋がりそうだと感じるが、「高関税政策」「不法移民対策」はアメリカ株にマイナスなのではないか。 ニッセイ基礎研究所 井出真吾 氏: 基本的に株にはマイナス、世論にはプラスだろう。高関税政策がどれぐらい出てくるか。前回もかなり脅しで使ったところがあった。今回はどこまで関税を引き上げるか、それこそトランプ氏の胸先3寸で物事が動く話なので、日本時間の夜中にSNSで何言い出すかもわからない。そういう意味では振り回される場面がこれから増えるだろう。