鎌倉GK宮本凌太朗「桐光をゼロで抑えて、桐光に勝つ」
9月16日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選の2次予選2回戦が行われ、鎌倉が光明相模原と対戦、試合は延長でも決着がつかずスコアレスで突入したPK戦を3-1で勝ち切り、3回戦進出を決めた。 【フォトギャラリー】鎌倉 vs 光明相模原 【フォトギャラリー】鎌倉 vs 光明相模原 前半を激しいハイプレスからダイナミックな展開で試合を支配した光明相模原。だが後半に入ると流れは徐々に鎌倉へ。しかし、ゴールを破ることはできず膠着。100分間の激しいアップダウンの末、PK戦へ突入する。そしてこの大事な場面を制したのはGK1宮本凌太朗だった。 「率直にめっちゃ嬉しいです。前回も大和戦で止めていたので、俺が試合を決めてやるっていう気持ちはありました。特にイメージとかなくて、なんかその場のノリっていうか、そういう本当になんか勘ですね(笑)。運が良かったっていうのもあるんですけど、やっぱり今まで仲間にPK戦で練習を付き合ってもらっていて、その結果が出て良かった」
それにしても見事だった。宮本の上を通過しようとする光明相模原の1人目のシュートを右に飛びながら左手1本で止めると3人目、4人目はしっかりとコースを読み切りジャストストップ。 「相手の動きというか、足とかを見てというよりも、自分の経験とか、そういう経験値の差とかがあったじゃないかと思います。今回の試合は全体的にディフェンス陣が個々で守ってくれていたので自分の活躍っていうのはあまりなかったと思うのですが、最後に自分で活躍の場ができて良かった」と、宮本は笑顔を見せる。 自分の見せ場については「後半終わったあたりからPK戦があるなとは思っていたんですけど、まずは延長をゼロで守りきることが大事だったので、一旦、延長戦ではPK戦を忘れました」と、冷静に胸の奥にしまい込んだ。しかし実際にPK戦突入が決まると「任せろ任せろって味方が鼓舞してきたんで、俺が止めなきゃいけないなって責任感がありました」と、気持ちを切り替え、緊張感を楽しんだ。 3回戦の相手は目標としてきた令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)8強の桐光学園に決定。 「次は挑戦者という立場だと思うので、思い切って臨みたいです。セービングには自信があって、そういうところも重点を置いて練習してきています。自分が次も活躍する場面が増えると思うんで、そこまで引き締めて練習していきたいですね」と、ようやく叶う対戦に今から胸を躍らせる。 「個人としてはまず桐光をゼロで抑えて、チームとして桐光に勝つのが目先の目標です」。宮本にとって桐光学園はもはや憧れの相手ではない。 (文・写真=西山和広)