老後は「年金が少ない」という理由で生活保護は受けられる?「持ち家」だと受給できないの? 受給要件とあわせて解説
生活保護は、国民が最低限度の生活を送ることを保証する、国のセーフティーネットの1つです。ただ、年金を受け取っている人などは「自分は受け取れないだろう」と思ってしまって申請していないケースもあるようです。 本当に、年金を受け取っていると生活保護は受けられないのでしょうか? 本記事では年金では生活できない人は生活保護を受けられるのか、生活保護を受給するための条件を紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
年金が少なくて生活ができない場合には生活保護の受給が可能
結論からいってしまうと、年金受給者であっても国が定めた最低生活費を下回る収入しか得られていないのなら、生活保護を受給することが可能です。 生活保護と年金を同時に受給できる理由は、それぞれの目的や役割に違いがあることによります。 年金は、高齢に達して働く能力を失った場合に備えて、若いころから保険料を積み立てておく制度です。年金以外に収入があるか、資産をどれくらい保有しているのかなどに関係なく、現役世代で保険料をどれくらい納めていたかに応じて支給される仕組みです。 一方の生活保護は、国が定めた最低生活費を下回る収入しか得られない人に、最低限の生活水準を保障し、その自立を助長することが目的です。 年金収入が最低生活費を下回る場合、差額の生活保護費を受け取ることができます。
年金が少ない人が生活保護を受けるための条件
家族なら世帯年収の合計額が最低生活費を下回ったとき、1人暮らしの年金受給者なら年金受給額が最低生活費を下回れば、生活保護を受ける基準の1つはクリアしています。 ただし、年金収入が低いだけで、全員が受け取れるわけではありません。例えば、年金額を見ると最低生活費を下回っているが、現役時代に貯めた貯金で生活ができるなら生活保護を受けることはできません。 生活保護を受けるには、以下の条件を満たすことが必要です。 ●預貯金や利用していない土地、家屋などがあれば売却などをして生活費に充てる ●働くことが可能なら、能力に応じて働くこと ●年金や手当、補助金などを使える場合は、まずはそれらを活用する ●親族などの援助を受けられる場合は、優先して援助を受ける