愛知に誕生するIGアリーナは何が特別なのか…島田チェアマンが“国内初”の運営方式を解説
5月30日、Bリーグ・島田慎二チェアマンのポッドキャスト番組『島田のマイク』第187回が配信され、2025-26シーズンから名古屋ダイヤモンドドルフィンズのホームアリーナとして使用する予定のIGアリーナ(愛知国際アリーナ)について語った。 【番組を聴く】愛知に誕生するIGアリーナ…国内初となる"運営方式"を解説『島田のマイク』第187回 実際に建設現場を視察したという島田チェアマンは、IGアリーナの特長として、2つの“サイズ”について言及。「まず一つは1万5000人収容。大きな国際試合を誘致しようとすると1.5万人の壁がある」と、Bリーグのホームアリーナとしては最大になる“収容人数”が将来的な可能性を広げるためのポイントになると説明。 また、「もう一つの特長は床から天井の高さ。20メートルくらいがスタンダードですが、ここは30メートル」と、国内にある他のアリーナとは一線を画した大きさにも触れ、「海外の音楽アーティストは高い天井を想定してステージを作るので、そのまま持ってきたら20メートルじゃはまらない。外国人タレントが来日したときにドームが多いのは、アリーナでは高さが足りないという問題もある」と指摘した。 いずれの“サイズ”も、バスケットボール以外のビジネス面での可能性を広げるポイントになりそうだが、こうしたアリーナが建設できているのも、国内では初となる「BT+コンセッション方式」でアリーナ建設のプランが進められたからだという。 「BT+コンセッション方式」について、島田チェアマンは「まずは民間が中心になって建てて(Build)、自治体に譲渡する(Transfer)。本来であれば“官”が体育館を建てて、指定管理で運営してくださいね、というのがスタンダードだったけど、稼げるアリーナにするために民間が設計し、それを自治体に渡し、運営権は民間が有すると。こういうビジネスモデルは日本では初めて」と、説明した。 また、建設前から出資する民間企業がポテンシャルを最大限活かすための未来を想定して設計しているため、「いかにビジネスを最大化するか、ということが随所に散りばめられている」と、IGアリーナの魅力を力説。続けて、「BT+コンセッション方式」にどのようなメリットがあるのか、次のようにも語った。 「(自治体にとって)これまでだとイニシャルコスト(初期費用)はかからないけど、ランニングコスト(維持費用)はかかります、というような構造だったりするんですけど、今回はある一定の金額をイニシャルコストとして出すけれども、ランニングコストはかからないというようなメリットがある」 「いわゆる未来に税負担を残さず、いま一定の投資をすることで、その後の地域経済効果や地域の魅力の高まりに投資する観点がある。民間も自分たちが稼げるような様式を採用できるので、結局ウィン・ウィンなんですよね。このアリーナの利活用が進むであろうということが見えるので、海外から命名権に名乗りを上げてくるところもあるということ。これによって運営コストも見立てが立つことで、運営サイドも利活用が進む」 「日本中でアリーナ建設を推進し、クラブとオーナーと自治体と連係しながら進めていきますけど、当然“官”で財政出動して、作って、指定管理して、市民と色々なイベントをできる範囲で誘致していくということもあれば、民設民営でリスクもとりながら勝負に出ているところもあったりする。その中ではBT+コンセッションというのは民が主導なんですけど、官にも関与していただいて、セーフティかつ地域にポジティブに効果をもたらすことができるよ、という理解が進めば、非常に効果的な機能。今回はじめての事例として注目を浴びているので、今後アリーナを検討するような自治体と民間は、採用が進んでいくんじゃないかなと、期待のアプローチかなと思っています」 今回のエピソードでは、その他にもドライバー応援プロジェクトのコーナーや、広島ドラゴンフライズの優勝で幕を閉じた『日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24』の現地レポートなどについて、トークを展開している。
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