「万策尽きた」給食現場の悲鳴 食材費高騰でひき肉には大豆を混ぜ、キャベツはモヤシに…子どもの食と健康どう守る
熊本放送
コメやキャベツなど、食材の価格高騰が教育現場にも暗い影を落としています。子どもの食と健康をどう守るのか。試行錯誤する現場を追いました。 【写真を見る】給食に欠かせない牛乳やパン・コメが…10年間でこれだけ値上げ ■子どもにも、大人にも?人気の給食メニューに“異変” 11月19日、熊本市役所の食堂で多くの人が注文していたのは、保育園で大人気の給食メニューを再現した料理でした。献立は「鶏肉のごまみそ焼き」「魚のクラッカー揚げ」に「ピクルス」。 「食育の日(11月19日)」に合わせて、子どもたちの給食を体験してもらおうと企画しました。 利用者「ピクルスが入ってるのは意外でしたが、鶏肉は甘くて子どもが好きそう」 味だけでなく栄養バランスも良い給食メニュー。しかし、物価高に直面する教育現場は苦しい闘いが続きます。 ■パンもコメも牛乳も…この10年、食材費は10%以上値上げ 熊本市の白山小学校では、学校に隣接した調理場では児童と教員、合わせて約630食の給食を作っています。 白山小学校 筒井由香 栄養教諭「全体的に何でも値上がりしているのですが、毎日飲んだり食べたりするパンや牛乳、コメが去年より上がっている」 全国の公立学校では、1か月あたりの給食の食材費が小中学校ともに10年前より約12.5%上がっています。 熊本県内の学校給食に使われている主な食材も、この1年でパンは5%、牛乳は8%値上がりしました。 一方、2024年の1食あたりの予算は、保護者負担と国の補助を合わせて小学校で278円(国の補助:35円)、中学校で338円(国の補助:43円)です。 献立は、前の年の夏に市内の栄養教諭が集まり翌年の1年間分をまとめて決めています。しかし食材の値上がりが続いて予算内で収めることが難しく、学校ごとの判断で内容を変更せざるを得ないのが現状です。 筒井 栄養教諭「鶏肉だったらもも肉をむね肉にして質を落とし、合いびき肉だったら全て合いびき肉を使うのではなくて、その中に大豆を細かくしたものを混ぜて肉の量を減らしていますね」