明日スタートのセ・パ交流戦で「パ高セ低」に異変が起きる可能性は?
導入から13年目を迎えるプロ野球のセ・パ交流戦が明日30日からスタートする。昨年から導入されたホーム、アウェーのいずれかで3連戦だけを戦う方式で各チームは、それぞれ18試合を戦うことになる。 別表を見てもらえればわかるが、2009年を除いて、すべてパのチームが勝ち越しており、セの優勝チームも巨人が2度優勝しているだけ。「パ高セ低」の構図は明らかで、パのチームにとっては、貯金の稼ぎどころで、逆にセのチームは、ここをいかに踏ん張るかがペナントレースを制する上でのキーポイントとなる。去年も、交流戦で貯金を作ったのは5チームで、セのチームは広島だけだった。広島は、交流戦で勢いを作って結果的にペナントレースを制した。逆にパで負け越したのは、5勝13敗で最下位だったオリックスひとつ。オリックスはヤクルトに3連勝をしたが、あとの5カードはすべて負け越して草刈場にされた。 では今年の交流戦も「パ高セ低」は変わらないのだろうか? 元阪神、ソフトバンク、ヤクルトの評論家、池田親興さんは「異変の可能性あり」だと見ている。 「今年は少し交流戦に入る前の段階でパ・リーグに異変が起きています。交流戦を得意としていたロッテも、ようやくチーム打率を.202に乗せましたが、打てない、守れないの状況をまだ打破できていません。新外国人が加わりそうですが、大きな起爆剤として期待できないでしょう。開幕で好スタートを切ったオリックスも9連敗を脱出したばかり。昨年もパが圧勝しましたが、オリックスだけが交流戦前では草刈場にされていました。今年もかなり苦しいチーム状況です。昨年の優勝チームの日ハムでさえ大谷翔平がまだ復帰できずに投打のバランスを崩しています。大谷が交流戦の途中でDH復帰するプランがあるそうですが、セのチームが交流戦で反撃するためには、不振の3チームから確実に白星をあげていくことが重要になるでしょう」 昨年も「パ高セ低」となったが、パのチームは「4高2低」で交流戦に入った。借金9だったオリックスは草刈場となったが、借金14の最下位だった楽天は11勝7敗と交流戦で立て直した。今年は「3高3低」で交流戦を迎える。日ハムは、チーム防御率4点台をまだ解消できず、オリックスも9連敗をやっと止めたところでロッテも打線が冷え込んだまま。ロッテにはキューバから獲得した新外国人のサントスの合流という好材料はあるが、1番打者のタイプで、どこまで打線に刺激を与えられるか不安だ。しかも、いきなりスタートがセの首位を守っていた阪神との対戦となる。WBC後遺症に悩んだ石川歩が先陣を切るが、打線が復調しない限り交流戦でのV字回復は難しいだろう。日ハム、ロッテ、オリックスの3チームとの勝ち負け次第では、「パ高セ低」の交流戦の構図を変える可能性があるのかもしれない。