【予測】2025年の朝鮮半島情勢、もはや内戦か?緊迫の韓国、米国との全面対決の目論む北朝鮮
2025年は定周年の年だ。国際的には第2次世界大戦終結から80年を迎え、国内的には昭和元年から100年の節目となる。このような中で、今年の朝鮮半島情勢は年初から大きく動いた。韓国では尹錫悦大統領(職務権限停止中)の逮捕が試みられ、北朝鮮では極超音速飛翔体を搭載した新型中長距離弾道ミサイルが発射された。 朝鮮半島情勢がどのように推移するにしても、新たな局面に入ることに疑念を挟む余地はないだろう。昨年の回顧は他の識者に任せるとして、ここでは25年の朝鮮情勢がどのように動くか、対外関係の視点で考察していきたい。
金正恩の〝実績作り〟
まずは北朝鮮だ。北朝鮮の動きを見る上で前提としなければならないことが、いつくかある。それは、(1)朝鮮労働党創建80周年、(2)国防5カ年計画、(3)ロシアへの派兵継続、(4)第2次トランプ政権の発足、(5)対南政策の転換――の5つだ。 (1)朝鮮労働党80周年について、昨年12月に開催された党中央委員会第8期第11回全員会議拡大会議で、金正恩氏は「我が党が創建80周年を迎える意義深い年」と定義した上で、「25年を我が党領導史で最も輝く場所を占める歴史の分水嶺にしなければならない」と結んだ。 これを受けて、労働新聞は1月4日の新年社説で、「25年の偉大な勝利のために、信念高く果敢に闘争していこう」という今年のスローガンを発表した。 金正恩氏は父・正日氏が開くことができなかった党大会を16年(第7回)と21年(第8回)に開催し、第8回党大会の党規約改正で、5年に1回党大会を開催すると明記した。つまり、金正恩氏は来年には第9回党大会を開かねばならず、そのための実績も必要とする。 規約には党大会の発表は数カ月前に行うとあるため、党創建記念日である10月10日前後に発表する可能性が大きい。おそらく、党創建記念日にはこれまで以上に盛大な閲兵式が行われるとみられる。