小田急の省エネ車両が西武で生まれ変わって出発 市松模様のデザイン、5月末から営業運転
西武鉄道は7日、小田急電鉄から有償で譲り受け改修工事を施した中古車両を、初めて屋外で自力走行させた。今後、複数の路線で試運転を行い、5月末頃から西武国分寺線(国分寺駅~東村山駅間)で営業運転を始める予定。大手私鉄間での車両の再利用は珍しい。 【写真】車内に貼られていた「小田急車両」と「西武鉄道」のプレート 車両は小田急8000形として運行されていたもので、西武が2023年9月に導入を発表していた。消費電力が少ないVVVF(可変電圧可変周波数)インバーター制御装置を採用しており、西武では省エネ性能の高い「サステナ車両」と位置付けている。昨年5月に小田急から譲り受け、埼玉県日高市の武蔵丘車両検修場で整備などを行ってきた。西武8000系として再出発する。 昨年12月には、社内公募で選んだ市松模様のラッピングを施し、外装も新たに。デザイン案が採用された入社3年目の若手社員は「入社した頃から、自分がデザインした車両が走ることを夢見ていた。たくさんのお客さまにご利用いただき、市松模様に思いをはせていただけるとうれしい」と話した。 西武は2030年度までにサステナ車両への置き換えを実現するため、新車製造と並行して小田急と東急電鉄から計約100両を有償で譲り受け、順次導入する取り組みを進めている。 (文・写真 鴨志田拓海)