【注意】賃貸の原状回復は「借りた当初の状態に戻すこと」ではない!? 借主が「負担しなくて良い費用」とは?「損」しないために知っておきたい知識を紹介
特約に注意
それではなぜ原状回復に関するトラブルが多いのでしょうか。それは契約書に敷金の特約が定められているケースが多いことが挙げられます。例えば、賃貸住宅を退去する際にハウスクリーニング費用を負担したことがある人は多いのではないでしょうか。 前出のガイドラインによると一般的なハウスクリーニング費用は貸主負担ですが、特約で借主負担としてある場合は、借主がハウスクリーニング費用を負担しなければなりません。 このようにガイドラインで貸主負担とされている費用であっても、特約によって借主が負担するケースがあり、トラブルが起きる原因の1つとなっています。 筆者も築40年以上の賃貸物件を退去する際に、特約によって原状回復費用として20数万円を請求されたことがあります。国民生活センターや弁護士などに相談するなどして、最終的にはなんとか納得できる金額に落ち着きました。しかし、引っ越しでバタバタしているときに余計なトラブルが増え、精神的な負担が大きいものでした。 これも、特約に関する理解があいまいだったためにトラブルになったものです。契約自由の原則から特約を設けること自体には問題はありません。そのため、入居時に契約書をよく確認しておくことが大切です。また、入居時と退去時には貸主などと一緒にキズなどを確認しておく必要もあるでしょう。
まとめ
賃貸物件の原状回復は、借主が故意または過失で壊したり汚したりした場合以外は、原則として貸主が費用を負担します。しかし、契約に特約がある場合は借主が負担する場合もあります。そのため、契約の際には内容をよく確認しておくことが大切です。納得のできる契約を行い、損をしないようにしましょう。 出典 国土交通省住宅局 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版) 執筆者:山根厚介 2級ファイナンシャルプランニング技能士
ファイナンシャルフィールド編集部