かんぽ不適切販売問題 特別調査委が会見(全文1)モラルに欠ける募集人が存在
不適正募集を行ったと回答したのは1割以下
募集人アンケートの結果、乗り換え契約の募集に限定せず、高齢者募集および多数契約募集を含む不適正募集全体について、募集人アンケート調査を実施した結果、以下の事実が判明した。なお、募集人アンケートでは不適正募集を行ったことがあるか否か、見聞きしたことがあるか等を質問するに当たり期間を限定していないため、5年間を対象期間とする特定事案調査による数字と単純に比較することはできません。 まず全般的な問題としまして、不適正募集を自ら行ったことがあると回答した者の割合は1割以下であった。高齢者募集、約6%。多数契約募集のうち多額契約募集、約3%。いわゆるヒホガエ、約10%。乗り換え契約、約8%です。次に不適正募集を職場で見聞きしたことがあると回答した者の割合は半数程度であった。高齢者募集については約43%。多額契約募集については約47%。ヒホガエについては約44%。乗り換えについては約55%です。次に渉外社員と窓口社員の別、それから3番目の販売実績等との関連性については、いずれも先ほどの特定事案調査と同様、渉外社員のほうが割合が多い、販売実績が優秀だと、比較的高い者のほうが関与した割合が多いということになっておりました。 次に募集人が不適正募集を行う動機についてであります。まず募集人全般で見た場合、個人または班や局の営業目標の達成が、不適正募集を行う1つの動機として募集人に影響を与えていることがうかがわれるものの、営業目標達成への動機付けは募集人の属性によって異なる。渉外社員と窓口社員を比較した場合、営業目標達成への動機付けについて厳しい指導等を回避することを挙げている点は共通するが、これ以外に渉外社員は営業手当等による高い収入をうることへの意識が強く、窓口社員は所属組織や上司等に迷惑を掛けることを回避することへの意識が強いという傾向が見られる。 営業目標達成への動機付けとしては、販売実績が比較的高い層とそうでない募集人に共通するのは、所属組織や上司等に迷惑を掛けることを回避することである。異なる点は、販売実績が比較的高い層の募集人は営業手当等により高い収入をうることや、選奨その他のインセンティブへの意識が強いのに対し、そうでない募集人については厳しい等を受けるのを回避することへの意識が強いという傾向が見られる。