「下ネタなぞかけでブレイク」紺野ぶるまのその後「閉経直前の状態でも、まだ見ぬ出産と今ある好きな仕事を天秤にかけて」
そしたら、話しているうちに「ずっとそういう人を見てみたかったな」って気づいて。今までの私は、女芸人という存在はどこか儚くて、結婚したらセオリー通りのお笑いはできないし、出産したら母ちゃんになって、ライブにいっぱい出るという存在ではいられなくなる、それは寂しい、みたいな固定観念があったんです。でも「私が1年目だった当時はまだいなかったけど、もし周りに全部をやっている人がいたら、私も悩まなかったかも」と思ったときに、「じゃあ自分がそういう人になってみようかな」って、踏んぎりがつきました。
あと、子どもに対して、こんな母ちゃんだとかわいそうだっていう不安というか、責任感もあったんです。でも「私は産むけど、育てるのはお願いしますね」って旦那さんに言ったら、「もちろんだよ!僕は喜んで子育てするよ~!」みたいなテンションで(笑)。それでようやく、子どもができるかどうかは分からないけど、妊娠に向けて進んでいこうという流れになりましたね。 PROFILE 紺野ぶるまさん 1986年生まれ、東京都出身。松竹芸能東京養成所を経て、2010年にデビュー。「ABCお笑いグランプリ」や「R-1ぐらんぷり」、「THE W」で決勝進出を果たした。著書に『「中退女子」の生き方~腐った蜜柑が芸人になった話』(廣済堂出版)、『下ネタ論』(竹書房)、『特等席とトマトと満月と』(幻冬舎)がある。2019年に会社員男性と結婚し、現在は1児の母。
取材・文/長田莉沙 写真提供/紺野ぶるま
長田莉沙