危険&無意味なものだけではない…「医者が本当に飲んでいるサプリ」を全公開
『週刊現代』の特集第4章『サプリの摂りすぎで「腎臓」が壊れる…! 命を蝕む「11種類の成分」の実名)』より続く。 【一覧】クスリとサプリ「危ない飲み合わせ」がこんなにたくさん…
医者が選んだサプリはこれだ
ここまでは注意が必要なサプリばかりを取り上げてきたが、もちろんすべてのサプリが有害であったり無意味だったりするわけではない。現にある種のサプリを健康生活に役立てている医者は多い。 では、医療の専門家たちはどんなものを飲んでいるのか? 今年、米寿を迎えた帯津三敬病院名誉院長の帯津良一氏が実際に飲んでいるのはNKCPだ。これは、納豆菌から抽出された「バチロペプチダーゼF」という酵素のこと。納豆の粘り気の成分に含まれる酵素で、血液をサラサラにする効果があるとされている。帯津氏が解説する。 「尊敬している2歳年上の医師が若い頃、脳梗塞で倒れてしまい、話せなくなってしまったことがあります。それを見て『脳梗塞になると仕事を続けられない』と強い危機感を覚えました。 予防法を探究したところ、バチロペプチダーゼFという酵素がいいという結論にたどり着きました。私は20年以上、大和薬品が出しているNKCPを1日2錠ずつ飲んでいます。飲むタイミングは朝食のあと。幸いこれまで脳梗塞にはならずに過ごせていますから効果はあると思います」
アラビノキシランで免疫力UP
NKCPのほかに「免疫力を高めたい人におすすめ」というのがアラビノキシランを含んだサプリだ。 アラビノキシランとは、植物の細胞壁に存在する成分のこと。なかでも麦、玄米、全粒粉、コーンなどの穀物類や大豆、ゴボウ、オクラなどに多く含まれている。 アラビノキシランは食物繊維でもある。腸内まで届き、善玉菌の増殖を助け、腸内のバランスを整える。便秘の予防や改善に効果的だ。ほかにも血糖値の上昇を穏やかにしたり、血中コレステロール値を低下させたりする効果もある。 「免疫力を高めるという意味で、高齢者はもちろん、がんで闘病されている方にもおすすめしています」(帯津氏) アラビノキシランを含むサプリには大和薬品の「レンチンプラス1000」や、オリジン生化学「スーパーオリマックス」などがある。 免疫力を高めるためには、体の細胞内のミトコンドリアを活性化させることが重要になる。前出の福田氏はミトコンドリアがエネルギーを作り出す際に必要となるコエンザイムQ10を飲んでいるという。 「コエンザイムQ10には、心臓の働きを良くする効果もあり、心不全などの心臓病の予防にもつながります。 ミトコンドリアの力が弱ってくると、体力が減って、大病に耐える持久力がなくなってきます。体内で作ることもできるのですが、加齢とともに量がどうしても減っていってしまいます。 ミトコンドリアの活動を補助する成分は、ほかにL-カルニチンとα–リポ酸があります。私のクリニックでは、なかでも抗がん剤を使う人を対象に、免疫力を高める目的でコエンザイムQ10と併せて、使ってもらっています」