「礼儀やマナーに気を使わない外国人旅行者が増えた」その結果…「京都は私の“Home”」と語るベルギー人女性が見た変化と憂い
外国人が日本人の印象を語るとき、よく「親切」「優しい」「他人への思いやり」というワードが出てくる。京都市下京区でヨガとピラティスのレッスンスタジオ「Happynes't(ハピネスト)」を営むバネッサ・ルクスさんは「どこの国にも親切な人はいます。日本人の親切が際立っている背景には、礼儀正しさがあると思います」と語る。 【写真】ヨガレッスンの終わりに抹茶を点てるバネッサさん…レッスンに訪れる生徒さんの国籍はさまざま ベルギーから京都へ移住して5年半のバネッサさんに、日本の中でもとりわけ京都の印象と併せて、彼女が営むヨガ&ピラティススタジオについても話を伺った。
失敗することを恐れ他人の目を恐れる日本人
外国人が日本人に印象として「親切」「優しい」「他人への思いやり」などポジティブなワードを挙げる一方で、よくいわれるのが「日本人はshyだ」ということ。我々日本人の多くが自覚しているように、たしかに人前に出たり他人より目立ったりすることに苦手意識をもつ人は少なくないようだ。 Google翻訳によると「shy(シャイ)」の日本語訳は、恥ずかしい、弱気、寡黙、照れ屋など、比較的ネガティブなワードが並ぶ。 しかし、バネッサさんはそれとは違う印象を、日本人に対してもっているという。 「私が観察してきた限りでは、日本人はシャイではなく『恐れている』ように感じます。英語を話すことを恐れている、失敗することを恐れている、他人からどう思われるかを恐れている、などです」 日本の長い歴史の中で営々と築かれてきた伝統や文化には深い尊敬の念を抱く反面、同時にそれが制約にもなっているように感じるという。 「若い世代が新しいことに挑戦したり、創造したり、職場に新しいアイデアを持ち込むことを妨げているように思います。伝統は人々をひとつの仕事、ひとつの役割に閉じ込め、型にはめてしまう恐れがあります。これからの世代が独自のアイデアを育てながら、伝統を守っていく道筋が見つかるといいですね」 このように語るバネッサさんは、京都を「自分のHome」と語るほど京都を深く愛する女性でもある。