全日本卓球でも注目。早田ひなや張本美和らに続く女子の"新星"
"パリ五輪イヤー"で盛り上がりを見せた日本卓球界。2025年最初の大きな大会として行なわれるのは、全日本卓球選手権だ。 【写真】世界ランキングを8位まで上げた大藤沙月 1月21日から26日までは男女のシングルスが東京体育館で、1月30日から2月2日までは男女のダブルスが愛知県のスカイホール豊田で開催される。そんな中、ぶ厚い選手層を誇る女子勢の争いに注目が集まっている。 現エースの早田ひな(世界ランキング6位/24年12月24日時点。以下同)は、パリ五輪の女子シングルスで銅メダルを獲得し、平野美宇(同13位)、張本美和(同7位)と組んだ女子団体では銀メダルを獲得。中国超えはならなかったが、24歳で経験した初の五輪を糧に、28年のロサンゼルス五輪に向けてさらなる高みを見据えている。 五輪で左腕を負傷した影響で国内外の大会を欠場していたものの、昨年11月に地元の福岡県北九州市で行なわれた、国際大会シリーズの年間王者を決める「WTTファイナルズ福岡2024」で約3ヵ月ぶりに復帰。 1回戦で世界ランキング14位のルーマニアの選手にマッチカウント1-3で敗れ、試合後に自身の状態を「40%くらい」と語ったように、まだまだ本調子とはいえなかった。 しかし、所属するTリーグの日本生命レッドエルフでは12月に選手登録されている。そこで試合勘とコンディションをどこまで戻していけるかが、シングルス3連覇を狙う全日本選手権や今後に向けた焦点となる。 一方、パリ五輪後も大きな成長曲線を描くのが16歳の張本だ。24年4月に世界ランキングで初のトップ10入りを果たしてから一度も圏外に落ちることなく、国際大会で活躍を続けている。 昨年10月に行なわれた「ITTFアジア卓球選手権大会」の女子団体では、早田が負傷でベンチに控える中、中心選手としてチームを牽引。中国との決勝では第1マッチで王芸迪(中国/同3位)を3-2で下し、第4マッチではシングルスで負けが続いていた孫穎莎(中国/同1位)にも3-2で勝利するなど、格上相手に2点取り。中国を破っての50年ぶり金メダルの立役者となった。 パリ五輪後に「ラリーの強化に努めてきた」という張本の安定感は日本女子でも屈指で、中国のトップレベルにも通用することを証明し始めている。 そんな張本は、昨年に決勝進出を果たし、五輪出場への足がかりをつかんだ全日本選手権・一般の部での初優勝を目標に置く。早田をはじめ手ごわいライバルたちを相手に、16歳が新たなステージへと足を踏み入れるのか。 また、パリ五輪で初のシングルス出場を果たし、団体戦では銀メダル獲得に貢献した平野も、アジア選手権や五輪後のWTTシリーズなどで精力的に活躍を続けている。 同学年の伊藤美誠(同11位)と共に、5月にドーハで行なわれる「世界卓球選手権(個人戦)」の出場権を獲得。パリ五輪のシングルス出場を争った平野と伊藤が、全日本選手権やその先の世界卓球に向けてどのような仕上がりを見せてくるのかも注目を集めるだろう。