旧統一教会問題、防衛予算倍増、ウクライナ電撃訪問、政治とカネ......在任3年で何をやったのか? 岸田首相の通信簿
■被爆地選出の首相がなぜ原発を推進する!? もっと厳しい評価をするのはジャーナリストの横田一氏。 「5段階評価の通信簿ならオール1です。就任時に成長と分配を実現する『新しい資本主義』を掲げて、市場や競争に頼るアベノミクスから転換するような印象を与えたんですが、その期待を裏切りました。 岸田首相は40人程度の弱小派閥だったため、90人を超える最大派閥の長である安倍晋三元首相の言うことを無視できなかったんです。結局、安倍政治をそのまま引き継ぐしか道はなかった。 日経平均の株価が上がったと評価する人もいますが、お金持ちが株や不動産で儲けて、さらに投資するだけで、労働者の給料は増えていません。実質賃金は、この5月まで26ヵ月ずっとマイナスなんです。 18歳以下に10万円の給付をしたり、ひとり年間4万円の減税をしたりしていますが、あまりにも額がしょぼい。防衛予算を倍増するのだったら、子育て世代や若者への予算も倍増しろと言いたいです。 また、東日本大震災以降『脱原発を図るとともに核兵器根絶を目指す』ということがよく言われています。そして、それができるのが被爆地である広島選出の岸田首相だと期待されていたのですが、原発再稼働を推進して運転期間を延長するという真逆の方向に向かってしまった。すべての評価が最低です。 ただ、岸田首相は政権誕生後に1週間前倒しで解散・総選挙をして単独過半数を得る勝利をしたように〝機を見るに敏〟で勝負勘がいいんです。 今回も自分の傷が深くならない時期に不出馬の発表をして、新総理総裁への影響力を保とうとしています。 実はこの発表も、自民党若手の小林鷹之氏が総裁選に出馬表明をするという話を聞いて『小林氏が出馬表明すると、〈勝ち目がないから不出馬にした〉と思われないように、小林氏より先に不出馬表明した』という噂もあります。岸田首相のそうした計算高さは評価できるかもしれません」 週プレが独自にアンケートを行なった結果、岸田政権を評価すると答えたのは24.33%だった。また、5段階評価では「2」の「ダメだった」が一番多かった。さて、あなたは、どう評価する? 取材・文/村上隆保 写真/時事通信社