旧統一教会問題、防衛予算倍増、ウクライナ電撃訪問、政治とカネ......在任3年で何をやったのか? 岸田首相の通信簿
逆に、これはダメだったというのは? 「政治とカネの問題です。自民党の安倍派や二階派などの政治資金パーティで、収入の一部を収支報告書に記載しないで裏金にしていた。この対応が間違っています。 岸田首相は、この問題で派閥を解消していますが、派閥が問題なのではありません。収支報告書に載せないで裏金として処理していたことが問題なんです。 改正政治資金規正法で、パーティ券の購入者の公開基準額を20万円超から5万円超に引き下げてもあまり意味がないでしょう。もっと裏に潜ってしまいます。だから、この改正は非常に間違っていたと思います」 ほかにはありますか? 「安全保障問題で、敵基地攻撃能力を保有するというのは、北朝鮮みたいな国があるので、仕方ないと思います。でも、2023年度からの5年間で43兆円という防衛予算の増大は問題なのではないでしょうか。そりゃ、アメリカは日本からお金をたくさん出させたいでしょう。 でも、日本政府は戦後ずっと『防衛予算はGDPの1%以内にします』と言ってきたわけです。それで『アメリカさん、申し訳ありません。1%以内じゃないと選挙に負けちゃうんです』と防衛予算の増額を拒否してきたわけです。その防衛政策上の制約を岸田首相は破った。これは野党も含めて、もっと議論するべきだったように思います。 マスコミにも責任があるんじゃないでしょうか。ひと昔前だったら、朝日新聞などは1面で『軍国主義の復活か!?』などと批判したはずです。 そして、防衛予算を増大するならば、憲法9条の改正の問題も出てきます。『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』と明記してあるんですから、憲法の改正も同時に行なわないと論理整合性がつきません」 ということは、岸田首相のこの3年間は、5段階評価だといくつになるのか? 「良くいえば3だし、悪くいえば2なので、間を取って2.5というところでしょうか」