選挙出馬の従業員に休暇を 三重県議会、経済団体に要請へ
稲垣昭義三重県議会議長は18日の定例記者会見で、選挙に立候補する従業員の休暇取得を企業に認めてもらえるよう、要請活動を実施すると発表した。若者や女性など、多様な人材の議会参画を目的とした初の取り組み。経済団体に協力を要請する。 議会事務局によると、従業員が地方選挙に立候補する際の休暇取得や議員との兼業などを認めるよう求める方針。各団体には、加盟する企業への周知などで協力するよう依頼する。 県中小企業団体中央会や県経営者協会、県商工会連合会、県商工会議所連合会に要請する。正副議長が来月4日から同19日にかけて各団体を訪問し、団体の代表らに要請書を手渡す。 全国都道府県議会議長会が「多様な人材が輝く議会のための17の提言」を取りまとめたのがきっかけ。提言は休暇制度の設置を含む「立候補のハードルを下げる方策」を打ち出していた。 稲垣議長は会見で「選挙に立候補するなら退職するのが一般的という空気がある。背水の陣で臨むべきだという根性論もある」と指摘。「多くの人が立候補できる環境を整えたい」と述べた。 26歳で県議選に初めて立候補した際、勤めていた銀行を退職した自らの経験も紹介。「辞めずに立候補しても良かったが、当時は(退職するのが)当然だと思っていた」と振り返った。