シティボーイが一人前になるための普段着。
最初にジャケットを一着持つ。
大人かそうでないかは、ジャケットをきちんと着ているかどうかで決まる。然るべき場所でも、そうでなくても、ジャケットの一着も着られないようでは大人にはなれない。羽織れば中がTシャツであっても、ある程度ちゃんとした人に映るのだから、こんなにわかりやすいマイ・ファースト・大人アイテムってない。しっくりくる一着とめぐりあいたいものだが、仕立てや素材がよければそれでいいというわけでもなく、着ていて舞い上がらないようなものをじっくりと選んでみたい。 優等生を目指す必要はないけれど、意識するところから、大人への道は始まる。
大人かそうでないかは、ジャケットをきちんと着ているかどうかで決まる。然るべき場所でも、そうでなくても、ジャケットの一着も着られないようでは大人にはなれない。羽織れば中がTシャツであっても、ある程度ちゃんとした人に映るのだから、こんなにわかりやすいマイ・ファースト・大人アイテムってない。しっくりくる一着とめぐりあいたいものだが、仕立てや素材がよければそれでいいというわけでもなく、着ていて舞い上がらないようなものをじっくりと選んでみたい。
太めのラペルにクルミの3つボタンというこのクラシックなジャケットは〈グッチ〉のもの。生地はモールスキンで、パッチポケットが付く。シルエットはゆとりがあって、カーディガンのようでもあり、毎日でも着たくなるラフさも兼ね備える。大人ってやつは、なろうとしてなるものではなく、気づいたらなっている。決して安い買い物ではないが、忘れられない思い出があったほうが、のちのちちょっと楽しい。
ハンガーはひと工夫する
上等なジャケットでも肩が崩れたら台無しなので、大人はハンガーにも気を使う。専用ハンガーもいいけど、どれも立派すぎて若輩の家にはまだ合わない。じゃあどうするか? 『ジャンティーク』の内田斉さんから教わった技なのだが、手持ちのハンガーにバンダナを巻きつけ、肩が当たる先端を丸くするというひと工夫。形にこだわらず、服を大切にするという気持ちが大切だ。
ブラッシングは怠りなく。
ジャケットを長く大事に着るには日々のケアが重要である。帰宅後、ジャケットを脱ぐや否やブラッシングする習慣を身につければ、汚れやホコリの蓄積を防ぎ、見えない繊維の絡まりを整えることができる。ブラシは少々力を込めて叩くように掛ける。柔らかい馬毛なら生地を傷める心配もない。