カネ儲けはダメ?広がる“祭りの有料席”に賛否...伝統はアップデートすべき?祭り文化を守るには?
■時代に合わせて伝統に変化すべき?
時代に合わせた伝統の変化も見られる。従来は女人禁制や、慣習として女性が参加していなかった勝部の火まつり(滋賀)、はだか祭の神事(愛知)などに近年、女性が参加している。宮田氏は、服装の自由化や、外国人をふくめて地元民以外にも参加者を拡大する「祭のアップデート」を提案する。 佐滝氏は、こうした変化に「あり」との見方を示し、「今年初めて、祇園祭の山鉾巡行で、地元在住ではないアフリカ系の方が参加した」。参加規模も要因の一つとなる。「女人禁制にも重要な意味があるが、それでは継続できないと、子どもや女性が参加できるようになった事例は多い。『消えるのか、変えるのか』の二択では、ある程度変わることもやむを得ない」との考えを示す。 宮田氏は、各地の祭りについて「明治維新や戦争など、大きな時代の変化に適応できたから残っている」といい、「私たちも、そういう態度を持たなければ、次の時代には届けられない。そのために今、『何のために祭りをやるのか』を真剣に考えている」。 しかしながら、「神事にはルールも協定もない」のが特徴だ。「ひとり一人が考え抜き、わからなければ神職の方に相談するのが正しい。祇園祭の件では、八坂神社の神職の方が発言した。チャレンジしたい気持ちは自由で、存続のために工夫したことで『やりすぎ』と言われるようなやりとりがなければ、アップデートはされない」と続けた。 内藤氏は「徐々に変わっていくものだ」とした上で、「阿波踊りも“正調”だけでなく、若い子が太鼓や鐘でドカドカやるものも増えた。初めは『何あれ』と言われていても、だんだん認められていく。チャレンジと失敗を重ねつつ、納得感を持って進んでいくのではないか」と述べた。 (『ABEMA Prime』より)