「日経平均は、まだ上がる」…”プロが必ずチェックする”上昇株価の安定性を示す「たった一つの指標」とは
バブル崩壊の3つの要因
永濱:1つ目は、アメリカの利下げ観測の後退。アメリカのインフレ高止まりが明らかになり、高金利が維持される見通しが強まりました。高金利は企業活動を停滞させるので、株価にはマイナスです。 2つ目は、中東情勢の悪化です。イランがイスラエルを直接攻撃し、イスラエルも報復したことで、原油価格の上昇とインフレ再燃を見込む動きが強まりました。 3つ目は、ハイテク株の見通しが下方修正されたこと。いわゆる「マグニフィセント7」と呼ばれる企業の業績は好調ではありますが、成長速度には陰りが見られます。株価が高くなりすぎているので、好業績でも少し悪材料があると売られやすくなっています。 ほか、いわゆる「アノマリー」も影響したかもしれません。アノマリーとは「相場の経験則」のことですが、特にアメリカでは「セル・イン・メイ」という格言があります。「年始に買った株は、5月に売れ」という意味です。 世界の株式相場には、「春にピークをつけて、その後は夏枯れ相場が続き、秋口から再び上がる」というパターンがあります。 2024年春の日経平均の下落は、株式市場のアノマリーに影響された可能性もあります。FRBが利下げに動けば、再び上昇に転じることも考えられます。 『「日本企業は海外で稼いでいる」…絶対に知っておきたい、円安の今こそ「株式投資がアツい理由」』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ