イスラエル、ガザ戦闘開始時に民間人20人の巻き添え容認=NYT
[エルサレム 26日 ロイター] - 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は26日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスと戦闘を始めた2023年10月、交戦規定を緩め、民間人が最大20人巻き添えになる危険性がある場合でも攻撃することを中級将校に容認していたと報じた。 標的であるハマスのメンバーが外に1人でいる時に限らず、自宅で親戚や近隣住民といる場合でも攻撃できると容認。同時に、攻撃によって危険にさらされる可能性のある民間人の1日当たりの人数の制限を取り除いていた。 軍の最高司令部は100人の民間人の命を危険にさらすと分かっていながら攻撃を承認したこともあったとしている。 23年11月以降には規定が厳格化され、低レベルの標的への攻撃で巻き添えになり得る民間人の人数を半減させた。ただ、NYTは戦闘前と比べると規定ははるかに緩いままだと指摘している。 NYTは計100人を超える兵士や当局者に取材し、その中には標的の選定や吟味を手伝った25人超が含まれていると説明している。 イスラエル軍はコメントへの要請にすぐには回答しなかった。 NYTによると、ハマスがガザに近いイスラエル南部を襲撃した23年10月7日以降にイスラエル軍は交戦規則を変更したことを認めたが、軍は「一貫して法の支配に従った手段と方法を用いている」と主張している。 イスラエルの集計によると、23年10月7日のハマスの襲撃で1200人が死亡し、250人超が人質としてガザに連行された。 ガザ保健省によると、これに対するイスラエル軍の地上・空中での報復攻撃ではこれまでに4万5千人超が殺害され、10万7000人超の負傷者を出した。