朝の自分時間は邪魔が入らないゴールデンタイム。幸運を呼び込む「朝習慣」とは
2024年は「風呂キャンセル界隈」なんて言葉も流行ったように、帰宅後は気付いたら寝落ちしてしまい、朝は着替えだけして慌てて家を飛び出す......なんて人もいたはず。しかし、僧侶の枡野俊明さんによると、朝に自分のための時間を持つと「人生が確実に好転していく」と、著書『朝の自分時間で人生はうまくいく 最高の朝とおだやかな夜をつくる45の習慣:早起きで人生を劇的に変える禅の教え』で説きます。 「禅寺の住職、庭園デザイナー、大学教授、講演活動とめまぐるしい日々を送りながら、この20年ほどで百数十冊もの本を上梓できたのも、私が朝の時間を大切にしているからに他なりません」(同書より) 早起きによって作られる「朝だけ習慣」について詳しく記されている同書では、禅の教えにもとづいた朝時間の活用術が多数紹介されています。 まず、朝の気分は前夜の過ごし方によってほぼ決まるといいます。そのため第1章で書かれているのは、家でリラックスした夜を過ごすための方法です。「ベッドではスマホを断つ」「明日の準備をする」などのほかに「三つの『結界』をつくり、考えごとを家のなかに持ち込まない」と薦めているのが、僧侶の枡野さんらしいところかもしれません。「結界」といっても決してスピリチュアルなものではなく、仕事やストレスを家の中に持ち込まない方法として誰もが実践できるものになっています。 第2章以降は、朝の時間の使い方や習慣について。簡単なところでは、「窓を開け、朝日を浴びながら深呼吸」(同書より)するだけでも自然のエネルギーを体内に取り込み、幸せホルモンと呼ばれる脳内物質「セロトニン」の分泌を促進できます。 自分なりの毎日の儀式(ルーティン)を取り入れるのもおすすめで、枡野さんは毎朝欠かさずに、丁寧にお茶を淹れて仏前にお供えしているそうです。その日の温度や湿度によって淹れ方を変えるなどの工夫をしており、「同じことを続けていると、ものの見方が変わります。そして、"気づき"があります。それが自分を成長させるということです」(同書より)と記します。 ほかにも、写経や散歩、掃除、椅子坐禅など朝の時間にできることはいろいろあります。特に早朝は睡眠によって脳がリフレッシュしている上に、携帯電話も鳴らなければ訪問者も来ないという、どこからも邪魔が入らない最高の状態。自分が主体となって思うがままに時間を使うことができます。そう考えると、そんなゴールデンタイムを無駄にするのはもったいなく思えてきますね。 とはいっても、同書で紹介されているすべての習慣を取り入れるのは無理なこと。まずは朝の自分時間についての極意や活用法のヒントを同書から得て、一つでもよいので試してみてはいかがでしょうか。同書でも紹介されている「日々新又日新」(毎日が新しい日であり、いつも新たな気持ちで、その日、その日を向上させていこう)の気分で、朝の時間を有効に使いたいものです。 [文・鷺ノ宮やよい]