韓国国会、予算案可決、野党が一方的に規模縮小
Jihoon Lee [ソウル 10日 ロイター] - 韓国国会は10日、最大野党「共に民主党」が政府・与党の同意を得ずに規模を縮小した来年度予算案を可決した。 国会は野党が多数派を占める。政府は677兆4000億ウォン規模の予算案を提案していたが、共に民主党が673兆3000億ウォン(4706億ドル)に規模を縮小した。賛成183、反対94で可決された。 尹錫悦大統領は今月3日に非常戒厳を宣布したが、理由の1つに野党が予算審議を妨害したことを挙げていた。 国会が省庁や対立する政党間の同意なしに規模を縮小した予算案を可決したのは初めて。 共に民主党が削減したのは、政府の予備費、利払い費のほか、大統領府・検察・監査院の予算など。 共に民主党の李在明代表は「予算案の速やかな可決は、現在の不安と危機の解消に役立つだろう」と発言。 これに対し政府は、予算削減により、政府の基本的な機能がまひするほか、対外的な課題への対応が滞り、中小企業や社会的弱者向けの政策措置が遅れると主張している。 エコノミストは予算の削減が景気に悪影響を及ぼすと指摘。 iM証券のエコノミストは「拡張的な財政政策が必要な時期であり、経済にとって良いニュースではない。政策の空白が生じ、来年の補正予算編成がほぼ確実視される」と述べた。 シティのアナリストは、共に民主党の予算削減により、経済成長率が年0.02%ポイント前後押し下げられると試算した。