オンラインレッスンで「性被害」、日本人女性が警察に相談も罪に問えず…海外在住の自称・退役軍人による卑劣な手口
海外のクラウドソーシングサイトを通じて日本語のレッスンをしている日本人女性が、生徒の外国人男性から「性被害」にあった。 【写真】ジョンの行為にショックを受けた女性 女性から提供された録画映像には、男性が下半身を露出してわいせつな行為に及ぶ卑劣な姿がおさめられていた。 オンラインツールの普及によって、日本人が外国人に日本語を教える機会は増えている。女性は警察に相談しており、通報を受けたサイト側は男性のアカウントを削除したが、情報開示には応じていないという。 現行法では、罪に問うことは困難と言わざるを得ない。それでも「同じような被害者のためにも、海外在住の相手だからといって泣き寝入りしたくない」と諦めないつもりだ。(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)
●「退役軍人のジョン」が朝から画面越しに…ショック受けた日本人女性
岐阜県に住む30代の森本佳子さん(仮名)が利用しているのは、イスラエルの企業が運営する国際的なクラウドソーシング。語学の授業に限らず、ウェブサイトや動画の作成などの案件を依頼し、または引き受けることができる。 森本さんはここで、2023年6月から、外国人を相手に英語で日本語を教えるオンラインレッスンを提供している。 被害にあったのは、2024年8月4日朝。自室とアメリカを結んだオンラインでのやりとりが始まり、森本さんは「退役軍人のジョン」を名乗る黒人男性と英語で会話を交わした。数分後、突然ジョンが射精する様子を見せた。 レッスンは録画されていて、森本さんは警察に通報。弁護士ドットコムニュース編集部も男性の行為を動画で確認した。森本さんのショックもみてとれた。 サービスの規約で利用者のセクハラ行為は禁じられている。森本さんが運営にクレームを入れたことで、ジョンのアカウントは凍結されたが、なんとか刑事責任まで問いたいと考えている。 運営側は「裁判所の令状がなければ顧客情報を開示できない」として、対応しない立場を明らかにした。日本の警察は森本さんに「適用される法律がない。公園で下半身を露出するようなケースと違って、1対1だから公然わいせつに問うことができない」と説明している。