提供：総統府

台湾の頼清徳総統は1日、新年の演説で「防衛予算の増額を継続し、防衛力を強化する」と述べ、台湾への圧力を強める中国に対抗して防衛力の強化を進める決意を強調しました。 台湾の頼清徳総統は1日、恒例となっている新年の演説に就任後初めて臨みました。頼総統は演説で中国やロシアなどを名指しし、「権威主義体制はルールに基づく国際秩序を脅かし、インド太平洋地域と世界の平和と安定に深刻な影響を与えている」と警鐘をならしました。 また、「防衛予算の増額を継続し、防衛力を強化する」などと訴えました。台湾をめぐっては今月就任するアメリカのトランプ次期大統領が「台湾は防衛費を払うべきだ」などと発言しており、頼総統としては防衛力強化に積極姿勢を示すことでアメリカの支持をつなぎ止めたい狙いがあるとみられます。 その上で頼総統は、「台湾海峡の平和と安定は世界の安全と繁栄に必要だ。台湾が強くなればなるほど、世界の民主主義の防衛線は安定する。」として、欧米各国などとの連携強化の必要性を訴えました。 台湾では去年、総統選と同時に行われた立法委員選挙で与党・民進党が少数与党に転落。先月には、野党が主導するかたちで防衛費を含む政府予算を削減する法案も可決されました。 こうした中、頼総統としては新年早々、中国の脅威や防衛強化の必要性を訴えることで防衛予算の審議などで野党側の理解を得たい考えです。