250万円引きで買える!? 人としてダメになる……[クラウンセダン]驚きの快適性とは?
■水素ステーション対ストリップ劇場
実はこれ、すべてクラウンセダンの運転中に考えていたことだ。運転中に「快適すぎて怖い」と思うクルマもそうはない。 しかし、どんなに素晴らしいクルマでも、燃料電池車には水素ステーションの問題が付いて回る。数が少ない、休みが多い、早く閉まる。また、定休日でもないのに突如休むケースも散見される。 2024年7月現在で、水素ステーションの数は全国に152カ所。そのうち首都圏(47カ所)と中京圏(45カ所)で6割を超えており、地方はごく少数だ。もしかしたら、ストリップ劇場よりも少ないのではないかと思って調べたら、残念ながらストリップ劇場は今や全国に20カ所もないらしい。 しかし詳細を追うと、ストリップ劇場はあるのに水素ステーションはない県(愛媛県)があったり、ストリップ劇場と水素ステーションがどちらも1カ所しかない県(福井県)があったりと、あながち比べるのもおかしくない状況だったりする。水素ステーションは(ストリップ劇場も)数が少なすぎる! これではどれだけいいクルマを作っても普及しないのは当然である。国は早急に「水素ステーションが楽しくて便利な場所」になる施策を打つべきだ。もちろん、トヨタをはじめとする民間企業も協力しなければならない。 例えばおしゃれなカフェやドライブインシアターを併設するとか、全国に600店舗以上あるドン・キホーテ全店に配置するとか、ポイント還元なども充実させなければならないだろう。 とにかく、ユーザーに「水素ステーションに行きたい」と思わせ、話題にならないと始まらないのだ。ひとつキッカケがあれば好循環が生まれるはずだ。 燃料電池車の未来を信じているのなら、そろそろ本気で水素ステーションをどうにかしなければならない。それはいいクルマを作ることよりも大事なことなのかもしれない。 ●トヨタ クラウンセダンZ(FCEV)830万円 2023年11月発売開始。Zのみのワングレードで燃料電池が830万円、ハイブリッドが730万円。燃料電池は250万円近くの補助金が出る(国+東京都の場合)。 全長5030×全幅1890×全高1475mm、ホイールベース3000mm、車重2000kg。182ps/30.6kgmのモーターで後輪を駆動し、航続距離は820km。わずか3分で燃料を充填できるのが燃料電池車の利点。