250万円引きで買える!? 人としてダメになる……[クラウンセダン]驚きの快適性とは?
現行型クラウンセダンには水素モデルが存在する。ベースはMIRAIとのことでかなりの大柄モデル。だが、トヨタの長年の経験からその完成度は恐るべし。現状乗れる人が結構限られてしまって居る訳だが、今回はそんなクラウンの性能を余すことなく見ていこう。 【画像ギャラリー】水素ステーションの普及が売れるカギか?マジでスゴイ出来のクラウンFCEVを隅々まで是非(24枚) ※本稿は2024年9月のものです 文:テリー伊藤/写真:西尾タクト、トヨタ 初出:『ベストカー』2024年10月26日号
■これは人をダメにするセダン?
クロスオーバー、スポーツに続く新生クラウンの第3弾、クラウンセダンが今回の試乗車だ。 車名はクラウンだが、セダンは唯一のFR車。別のクルマと考えるのが自然なのだろうが、トヨタはこのセダンをクラウンシリーズのひとつとしている。 デザインの統一感も取れているし、この戦略は正しい。そもそも伝統的なクラウンのイメージに最も近いのがこのセダンでもある。昔からのファンも安心だろうし、お偉いさんの送迎車としての安定感もある。 送迎車やハイヤーはセンチュリーSUVでもアルファードでもなく、やはりクラウンの、それもセダンでなければ!という保守層は一定数いるものなのだ。 クラウンセダンには燃料電池とハイブリッドがあり、今回乗ったのは燃料電池車。ベースはMIRAIで、ホイールベースを少し長くして、後席を広くしている。 究極のエコカーと言われる燃料電池車の最新モデルだけにクルマの出来は最高だ。静かで乗り心地がいいのはもちろん、大柄なサイズのわりには運転もしやすく、クラウンのいい伝統を受け継いでいる。クラウンセダンの快適性は「このクルマに慣れると、自分がダメになるのではないか?」と心配になるほどだ。 おそらく、それは「良妻」に似ている。身の回りのことをなんでもやってくれる妻は、実は夫を「何もできない男」にしているだけとも言える。 かのソクラテスは「悪い妻を持てば哲学者になれる」という名言を残していて、実際、彼は「世界三大悪妻の夫」としても有名だ。その点では苦労したのだろうが、だからこそ歴史上の人物になれたのかもしれない。