教育投資ジャーナリスト「中学受験の志望校に受かっても、『中学受験で成功した』とはいえない」なぜなのか…中学校で待ち受けている落とし穴
SNSやブログにて我が子の中学受験過程について自ら発信する教育ママ・パパが増えている。そんな教育パパの代表的な存在が、教育投資ジャーナリストの戦記氏だ。 まとめ系インフルエンサーの滝沢ガレソ氏にその投稿をまとめられたり、インターネットテレビ「AbemaTV」の人気報道番組『ABEMA Prime』にてひろゆき氏と議論したりと、活動の幅を広げている。 同氏に、中学受験に成功する親、失敗する親の特徴を聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「完全攻略・中学受験」第2回。
そもそも「中学受験の成功」をどう定義するか?志望校に合格した親が見落としがちな視点
今回、「中学受験に成功する親の3つの特徴、失敗する親の3つの特徴」というテーマでの寄稿となりますが、これは実に深淵なテーマだと思います。「中学受験の成功」の定義が極めて難しいのです。「え?そんなの第一志望校に合格したら成功でしょ?」という声が聞こえてきそうですが、現実はそんなに甘くないというのが私の意見となります。 私は娘が小1の2016年6月にブログを開始し、現在の中3の2024年5月まで、ほぼ1日も休むことなく約8年間継続しています。つまり、ブログやTwitterで集まる中学受験情報を8年間分析しておりますので、上の世代や同世代、そして下の世代までの多様な中学受験生のモデルに触れてきました。それらを分析した結果、「中学受験の成功」の定義は、学年が上がることによって変質していくように思います。私自身も、この変質を経験しています。 子供の学年が上がることで、「中学受験の成功」の定義は以下のように変化していくのが一般的かと思います。 ①未就学児時代:「(なんとなくの憧れとして)御三家に合格すること」 ②小1~3時代:「(明確な目標として)御三家に合格すること」 ③小4時代:「(塾が4科目となり本格化して)御三家に合格すること」 ④小5時代:「(偏差値の現実が見えてきて)偏差値の高い学校に合格すること」 ⑤小6時代:「(学校研究が進んでくると)偏差値が高くて子供にフィットした学校に合格すること」 ⑥小6の2月:「第一志望校に合格して進学したこと」 ⑦中1の1学期末: 「(学校成績が上位25%の場合は)進学して良かった」 「(学校成績が下位25%の場合は)学校選択を間違えたかもと不安に」 ⑧中2の1学期: 「(学校成績が上位25%の場合は)学校生活に満足」 「(学校成績が下位25%の場合は)次第に焦ってくる」 ⑨中3の1学期: 「(学校成績が上位25%の場合は)中学受験の結果に満足」 「(学校成績が下位25%の場合は)中学受験の結果を疑い始める」 中学受験は、あくまでも「中高6年間を過ごす場所を選ぶ」行為です。中学受験の合否そのものが大事なのはもちろんなのですが、その6年間を有意義に過ごせたかどうか、が極めて重要となります。当たり前のことなのですが、中学校は「学校」です。各教科の授業があり、テストが実施され、成績で評価されます。その成績が低迷した場合は、補習や指導があるのが普通ですし、部活動への影響も出ることになります。 高校に進学した場合は、学校の各科目で5段階評価されて、各科目の評定平均がつけられます。その結果が良ければ、国内大学受験において「指定校推薦」や「学校推薦」や「AO推薦・総合型選抜」の道が開けますし、海外大学受験という選択肢も見えてくることになります。しかし、評定平均が悪ければ、それらに挑戦できる可能性は著しく低下すると考えて良いでしょう。 つまり、「中学受験の成功」は、「進学した中高一貫校での成績を含む学校生活の質により、後天的に評価されるものである」と考えるのが自然だと思います。
戦記
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