「AI面接を導入 26年入社から 学生の強みを顕在化する」ローソン社長・竹増貞信
「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。 【写真】この記事の写真をもっと見る * * * このところ、生成AIでできることが増えてきましたね。ローソンでは、新卒採用の面接に生成AIを導入する予定です。 導入を予定しているのは、再来年2026年4月入社となる学生さんの新卒採用の1次面接です。志望動機などが書かれたエントリーシートをもとにAIが質問を作成、学生さんとAIが30分から50分ほどかけてオンラインで対話しながら面接をする、という形です。 学生さんの方も、エントリーシートを生成AIを使って書くことがあり、賛否を含めて話題になっていました。ただ「使えるものは使っていく」方向に変わっていくのが世の常。AIを使うことで学生さんもより頭の中が整理できるなら、悪いことではないのではと考えています。 今回の導入には大きく二つの理由があります。 一つは学生さんの「機会ロス」をなくせるという点。「ローソンにもチャレンジしてみたいけど、その日は第1志望のアポが入ってる」とか、「海外在住だから時差で難しいな」などという理由で、諦めていた方も少なくないはずです。 AIによる面接なら、夜中でもOK。より広く門戸を開いて、私たちとの最初の対話を行えるわけです。 もう一つは、「学生さん一人一人の強みを顕在化できること」です。 最初の段階では人間が持ちがちな主観を排除して、AIによってその学生さんが持つ本来の長所を顕在化します。AIは合否判定まではしません。 AIが分析した学生さんの情報を選考材料としても生かす、という形です。面接の合否は、これまで通り複数回の面接を通して行います。 AIの特性と人の感性の双方をうまく生かしつつ、採用活動を行っていきたいと考えています。 ◎竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長 ※AERA 2024年11月4日号
竹増貞信