圧倒的に強い日本の技術でアバターが変える働き方 会話ロボットの実装へ
会社は「アバターで人類を進化させる」をビジョンに掲げる。石黒研究室で学んだ西口氏は、勤めていた日本テレビ放送網でバーチャルユーチューバー(VTuber)の事業を立ち上げたことで、人が生身の制約から解放され、分身を介して表現することの可能性に気付いたという。
「今、なんとなく、やり直しがきかない世界になっていると思う。何かに挑戦しようとしても、失敗してたたかれたり、笑われたりすることを恐れてしまう。だから生き方の選択肢の一つとして、自分と異なる存在のアバターが使えたらいいな、と思っている」
世界でも社会課題の解決にアバターの活躍する場面は増えているが、その多くが人工知能(AI)アバターだ。アビータでもAIアバターの開発を行うが、人が中心にいる「ヒューマンフレーバー」のアバターを大切にしてきた。
今後はロボットを活用したビジネスも見据える。今は配膳ロボットにアバター機能を搭載するなどして「会話ができるロボット」の実装に近づこうとしている。西口氏は「対話ロボットは世界でも日本が圧倒的に強い分野だ。日本には石黒先生もいる。先頭を走っているところをしっかり伸ばしていきたい」と力を込める。(安田奈緒美)