「退職金がない」親からストップ…就活で「オヤカク」する企業44%が「保護者の意見を重視する学生多い」
新卒の就職活動で、企業が何らかの形で内定者の親に内定承諾の確認を取る「オヤカク」。就職情報会社の調査で、約1割の企業が「学生を通じて保護者の意向を確認している」ことが分かりました。「内定辞退の防止」のために実施する企業が多いものの、学生側が「保護者の意見を重視」する傾向があると感じる企業も一定数いるようです。(withnews編集部・河原夏季) 【画像】「退職金がない」親からストップ…採用担当者が寄せたエピソード
13.5%が「保護者の意向確認」
学生向けの就活サイトを運営する「マイナビ」が6月、2218社を対象に行った調査によると、いわゆる「オヤカク」にあたる、「学生を通じて保護者の意向を確認している」が13.5%、「学生を通じて保護者の内定同意を取り付ける」が2.9%でした。 オヤカクの狙いについて複数回答で尋ねると、最も多かったのは「内定辞退対策」(47.2%)。続いて「保護者の意見を重視する学生が多いと感じる」(44.0%)となりました。
「退職金がない」親からストップ
企業の採用担当者に「保護者の意見を重視する学生が多いと感じる」エピソードを尋ねたところ、次のような回答があったといいます。 「退職金が無いことに対して、ストップがかかった。今やそういう会社は増えているが、親世代には浸透していない象徴のようなエピソードに思った」(建設業) 「本人の意志と反して親に反対されたので辞退しますと言われたことがある。辞退の理由に親が使われているだけかもしれないが、最終決定権が親にある学生も珍しくない」(製造業) 「『両親から全国転勤のある会社への入社を反対された』という理由で辞退へとつながった」(サービス・インフラ) 「地元に就職してほしいという親御さんの意見を汲(く)み、泣きながら辞退の電話をしてきた学生がいた」(製造業) 調査を担当したマイナビキャリアリサーチラボ研究員の長谷川洋介さんは、「学生の保護者に対してアプローチするなかで、保護者の意向や価値観とのすり合わせに難しさを感じる企業もあるようです」と総括します。