「退職金がない」親からストップ…就活で「オヤカク」する企業44%が「保護者の意見を重視する学生多い」
保護者へアプローチ「していない」は72.5%
一方で、「オヤカク」とは言えないものの、保護者へのアプローチとして「保護者向け資料を送付している」(5.2%)、「保護者向け説明会を実施している」(1.1%)企業もありました。 保護者向けのアプローチをしていないと答えた企業は72.5%でした。 「内定辞退対策」のひとつとして考えられているオヤカクですが、企業が実施している割合は高くなく、基本は内定を出した学生本人へのものが多いようです。 マイナビの6月の調査では、2025年卒の学生本人への内定辞退対策として最も多かったのは「内定者懇親会(食事会等)」(67.8%)。次いで「定期的なメール連絡」(39.0%)、「内々定式」(35.2%)、「人事との面談」(32.8%)、「社員との座談会」(32.1%)という結果になりました。 2024年卒で効果があったものとしても、「内定者懇親会(食事会等)」が最多の56.4%でした。 マイナビキャリアリサーチラボの長谷川さんは、「内定辞退対策としては、懇親会や座談会など、内定者本人と企業双方向のコミュニケーションが生まれやすいものが主軸となっています。人事側のマンパワー不足がいわれるなかで、企業としても優先順位をつけなければいけません」と話します。
今後もひとつの「選択肢」
内定を出した学生の保護者に対して企業があいさつや連絡をすることは、バブル期にもありました。現在と同じく「売り手市場」と言われ、企業が採用や内定者の「囲い込み」に苦労していた時代です。 調査では多くの企業が「オヤカク」をしていませんでしたが、長谷川さんは、近年メディアでオヤカクやオヤオリ(保護者・親向けのオリエンテーション)が注目されるようになったことで、触発される企業もあるとみています。 「人事担当のマンパワーをどこに割くかは分かりませんが、今後も若年層の人口は減り、売り手市場は加速して採用難になっていきます。引き続き保護者へのアプローチが選択肢として上がってくることは考えられます」と指摘します。