中日、谷繁監督の不可解采配で自爆サヨナラ
阪神―中日戦が9日、甲子園で行われ、延長11回一死満塁から両球団にとって史上初というサヨナラパスボールで、阪神が3-2でサヨナラ勝ちした。 2-2で迎えた延長11回からマウンドに上がった中日のストッパー、福谷は、まったくストライクが入らない。先頭の上本を四球で歩かせると、大和にバントで送られ、今度は、変化球がワイルドピッチとなって一死三塁。サヨナラのピンチに、代打・狩野、ゴメスに勝負しながら連続四球を与えて満塁となった。ここでマートンに対しての初球に、キャッチャーの桂は外角にミットを構えていたが、ボールはインコース高めに抜ける厳しい“逆球”。マートンに重なってしまうほどのボールで、桂が伸ばしたミットに当たったボールがファウルグラウンドを転々としている間に、上本がサヨナラホームに滑り込んだ。 試合直後のベンチで、谷繁兼任監督は福谷を説教していたが、不可解だったのはその采配だ。 この試合、先発の小熊とバッテリーを組んだのは、谷繁兼任監督。2-2で迎えた延長11回表に二死からレフト前へ落とすヒットで出塁すると、ベンチからは代走・桂が走ってきたが、谷繁監督はベンチへ追い返した。谷繁兼任監督が出塁するようなケースでは、森ヘッドコーチがベンチワークをカバーしているが、兼任監督ゆえのドタバタ劇だ。 谷繁が勝ち越しのランナーだったのだから、その足の不安を考えると代走・桂で良かったはずなのだが、拒否してグラウンドに留まった理由は、その裏の守りにあったと思われた。自らが“抑え捕手”として、最後までマスクを被るプランが、代走を追い返した理由として推測ができた。 だが、その裏、谷繁兼任監督はベンチへ退き、福谷―桂とバッテリーごと交代させたのだ。 最初からそのつもりならば、なぜ代走を使わなかったのか。 そして、その2年目の桂が逆球に対応できずにサヨナラパスボール。桂は「僕が補らなければなりませんでした」と、試合後真っ青だったが、もし谷繁がマスクを被っていたならば、コントロールの定まらなかった福谷をなんとか軌道修正をさせることができたかもしれなかったし、逆球に対する準備と対応も可能だったのかもしれない。 試合後、谷繁兼任監督は、そのままマスクを被っていれば?と聞かれ、「すべてが結果論だから」と多くを語らなかった。