「常に模索していた」2025年のマレーシアでのスーパーGT開催。ナイトレースでの開催も明らかに
8月1日、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、2025年のカレンダーについて発表したが、第3戦として2019年以来の海外戦として、2013年以来の開催となるマレーシアのセパンサーキットでの開催が復活した。この開催についてGTアソシエイションの坂東正明代表は、第4戦富士の決勝日に行われたGTA定例記者会見のなかで、開催に向けた交渉、そしてスーパーGTでは初となるナイトレースになると明らかにした。 【2020年のテストで火花を上げながら走るトヨタGRスープラ】 2025年のスーパーGTのカレンダーについては、8月1日に全8戦の日程が明らかにされ、第3戦としてひさびさのセパンでのレースがスケジュールされた。マレーシアでは2013年までシリーズ戦が開催されていたが、その後もセパンはGT500クラスのウインターテストで活用されるなど、スーパーGTとは馴染みが深いコースと言える。 そんなセパンでのレースについて、坂東代表は「2013年にセパンでの開催が終わり、タイで開催を続けて来たが、東南アジアにおける我々スーパーGTの価値観、付加価値、グローバル化を常に頭に入れながら取り組んでいた」と語った。 2014年からはタイのブリーラムでの開催が続けられ、その後2020年にはタイ、マレーシアでの2戦開催が発表されたが、コロナ禍により海外2戦開催は実現しなかった。「タイ、マレーシアの開催でどうやってロジスティクスをやるかを考え、プロモーターも形作りをし、マレーシアからは内金ももらっていた。コロナ禍でも東南アジアにおけるインターナショナルなルールづくり、グローバル化、日本車を使った市販車のマーケティングの戦略など、常に模索していた」と坂東代表は東南アジアでのレース開催が悲願だと語った。 コロナ禍が明け、2023年、さらに2024年1月のセパンでのウインターテストの際も坂東代表はマレーシアを訪れ、2020年開催予定時のプロモーターだったマレーシアのハロ・スポーツ&エンターテインメントとともに、マレーシアの観光芸術文化省の副大臣、政府観光局の局長と会談。スーパーGT開催がもたらす経済効果をアピールするプレゼンテーションを行った。 この時の感触は「非常にポジティブなもの」で、2025年の開催に繋がった。マレーシア政府が進める『VISIT MALAYSIA』キャンペーンとも繋がり、今季第5戦鈴鹿ではうまくいけば観光芸術文化省副大臣を鈴鹿に招き、調印式を行いたいとした。 「スーパーGTのアジアにおける認知度向上に向け、今後もより多くのアジア圏を視野に入れながらやっていきたい。アジア圏における日本との関係も考慮しながら、しっかりとした立ち位置でやりたい」と坂東代表は語った。 また、スケジュールでは決勝日は6月28日の土曜日が予定されているが、坂東代表は2025年の第3戦は初のナイトレースになると明かした。すでに2020年1月のテストでもナイトセッションが設けられており、開催に向けた準備が進められていた。「現在のセパンも暑く、走行会などは夕方や夜に切り替えてやっているので、コース上の照明などどのくらいの明るさがあるかなど試行錯誤していた」坂東代表。 セパンはクアラルンプール国際空港からも近く、宿泊施設も周辺に多い。また1時間ほど走ればクアラルンプール市内での観光も可能で、関係者もセパン開催は熟知している。レース展開もエキサイティングなものになることも多く、非常に楽しみな2025年の開催と言えるだろう。 [オートスポーツweb 2024年08月04日]