北海道スペースポート整備「大樹町で年間10機のロケットを打ち上げたい」…スペースコタン・小田切義憲社長
人口5300人ほどの町だが、飲食店がオープンしたり、宿泊施設が建設されたりしている。宇宙産業の集積ができれば、従事する人が増え、店が増える。雇用も生まれ、街全体が活性化していく。ロケットの打ち上げには多くの見学者が訪れる。近隣市町村のホテルに泊まってもらえれば、大樹町だけでなく十勝管内や北海道での経済波及効果が見込める。
この動きを加速させるために、重要な課題の一つは人材確保だ。進路を決める前の子どもたちに、宇宙工学や専門分野を学び、生かせる場所が大樹町にあることを伝えていかなければいけない。中学・高校の修学旅行を受け入れているほか、10月に帯広で開かれた『北海道宇宙サミット2024』では、大樹高校の生徒にボランティアをお願いした。若い人たちに宇宙に興味を持ってもらえるよう、学校や大学とどのように連携できるか考えていきたい」
◆小田切義憲氏(おだぎり・よしのり) 全日本空輸を経て、2012年、エアアジア・ジャパン社長に就任。16年にANA総合研究所入社。自治体、空港管理会社が発注する空港の活性化に関する調査・研究を担当。21年4月からスペースコタン社長。東京都出身。