ティアック、“音楽愛好家のためのDSD/PCM録音再生機” 「SD-550HR」
ティアックは、“音楽愛好家のためのDSD/PCM録音再生機” を掲げるハイレゾ・マスターレコーダー「SD-550HR」を、9月21日(土)に発売する。価格は242,000円(税込)。 豊富な入出力を装備 音楽愛好家が所持するレコードやカセット、オープンリールなどの長期保管が難しいアナログ資産を、可能な限り最高の状態でデジタル・アーカイブしたいというニーズに応えるマスターレコーダー。同社の培ったプレミアムオーディオ技術を活用し、録音のみならず再生品質にも磨きをかけており、モニター用リファレンスAD/DAコンバーターとしても極めて優秀だとアピールしている。 録音フォーマットは、PCMは44.1kHz/16bitから192kHz/24bitまで、DSDは2.8MHzおよび5.6MHzをサポート。記録媒体は最大512GBのSDXCカードに対応しており、PCM 192kHz/24bitでLP盤約140枚相当を録音することができる。フロントパネルにはUSBポートを備え、USBメモリーを接続してSDカードからのファイルコピーや、ファイル再生が行える。 録音レベルはLEDレベルメーターを確認しながら0.5dBステップで設定でき、出力ボリュームレベルについても調整が可能。録音時、入力レベルの変化で曲間を自動的に分割/ファイル分けする「オート・トラックインクリメント」、曲を聴きながら手動でファイル分けを行う「マニュアル・トラックインクリメント」の両方に対応する。また、任意のレベル以上の入力信号を検知して自動的に録音を開始する「シンクロ録音」、録音中の誤操作を防止するパネルロック機能も搭載している。 録音済みのファイルについても、フロントパネルのマルチジョグ・ダイヤルを使用して分割や曲名編集などを行うことが可能。操作を間違えた際にひとつ前の状態に戻すUNDO機能も装備する上、フロントパネルにUSBキーボードを接続しての文字入力にも対応する。Windows/Mac対応の無料ハイレゾ編集ソフト「TEAC Hi-Res Editor」も用意されており、パソコンからの録音ファイル編集も可能。 オーディオ回路は入力から出力まで全段ノイズに強いフルバランス構成を採用し、入出力双方のノイズを低減。出力側回路は高品位なモノラル回路を2系統搭載するデュアルモノ構成とすることで左右チャンネルの干渉を排除し、高音質出力を追求した。 電源部にはデジタル回路とアナログ回路それぞれに別の巻き線を持つEIコアトランスを採用し、ノイズの混入を抑制。発振子として精度1ppm以下のTCXO(温度補償型水晶発振器)を備え、クリスタルダイレクト方式により単体クロックジェネレーターに迫る高精度なクロックを実現したとする。ワードクロックの入力/出力/スルー接続にも対応する。 D/AコンバーターにはBurrBrown「PCM1795」を2基、オペアンプには「MUSES 8920」を採用。低インピーダンスのコンデンサーや、低ノイズ高精度の抵抗など、試聴を繰り返しながらパーツ選定と音質調整を行い、音質を磨き上げたという。さらに、AD/DA専用機としてピュアな音質にこだわるユーザー向けに「ADDA DIRECT」モードも搭載する。 底面には、独自の4点支持フット「ストレスレス・フット」を装備。削り出しスチール製のフットをシャーシに完全に固定せず、底面にぶら下がるような半固定状態とすることで、スパイクフットのような定位感と自然で豊かな響きの両立を図った。また、冷却ファンを必要としないファンレス設計により、ピュアな音楽鑑賞に欠かせない静寂性も確保したとのこと。 アナログ入出力には、XLRとRCAをそれぞれ1系統ずつ装備。6.3mmヘッドホン出力も1基備える。デジタル入出力には、XLR(AES/EBU)、RCA(S/PDIF)に加え、SDIF-3/DSD-raw信号に対応したBNCをそれぞれ1系統ずつ装備。ハイエンドからプロオーディオまで様々なオーディオ機器との接続が可能だとしている。 外形寸法は442.6W×56.5H×305Dmm、質量は4.4kg。電源コード、RCAケーブル、リモコンなどが付属する。
編集部:成藤 正宣