【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第19ステージ】逃げを貫き、下りで仕掛けたヴェンドラーメが独走勝利。ピンク集団は静かな1日。Gの落車にも「みんなが互いに敬意を払った」
区間2位には54秒遅れでサンチェスが入った。アラフィリップは2分32秒遅れの9位でステージを終えるも、「全力を尽くしきった感覚がある。良い1日だった。後悔はない」と晴れやかな顔を見せた。ちなみに中間ポイント賞で首位に浮上し、残り2日、同ポイントで並ぶアンドレア・ピエトロボン(ポルティ・コメタ)との対決の行方も気になるところ。
そして15分56秒遅れで、マリア・ローザ集団がゆっくりとフィニッシュに帰ってきた。それでも1日の終わりには、小さな加速合戦がいくつか見られた。ただラスト6km、濡れた路面で総合3位ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)が地面に滑り落ちると、集団はすぐにスピードを落とした。おかげで翌日38歳の誕生日を迎える大ベテランは問題なく集団復帰を果たし、あとはただUAEのアシスト2人が、静かにテンポを刻み続けるだけだった。総合上位20位までが、全員同タイムだった。
「今回のジロは全体を通して、集団内にリスペクトの意識が浸透している。今日も同じだ。トーマスが落車した時、誰一人として馬鹿げた真似はしなかった。トーマスにとっては災難だったけれど、自転車界にとっては良い出来事だったと言える」(ポガチャル)
ポガチャルは18回目のマリア・ローザ表彰式に臨み、ついにジロ初優勝に王手をかけた。7分42秒という大きなリードを手に、翌第20ステージ、今大会最後の山岳決戦へと挑む。
「スタートからチーム一丸となりコントロールしていく。でも明日は普通の山岳ステージと言うよりは、巨大な山が2つ聳えているだけだから……なにが起こるか予想もつかないんだけど。とにかく明日がクライマーにとっては最後のチャンスだから、僕らチームとして、できる限りのことをするつもり」(ポガチャル) 文:宮本あさか
宮本 あさか
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