【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第19ステージ】逃げを貫き、下りで仕掛けたヴェンドラーメが独走勝利。ピンク集団は静かな1日。Gの落車にも「みんなが互いに敬意を払った」
最初から最後までやり遂げた。強豪ライバルたちの駆け引きを巧みに利用し、曲がりくねったダウンヒルも恐れず攻めた。ついには28kmの独走を実らせて、雨に濡れたフィニッシュ地点で、アンドレア・ヴェンドラーメ(デカトロン・AG2Rラモンディアル)が人生2度目のジロ区間勝利をつかみ取った。遠く背後のマリア・ローザ集団は、静かに1日を過ごした。最後にヒヤリとする場面もあったけれど……タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)曰く「みんなが互いに敬意を払った」おかげで、総合上位勢に一切のタイム変動はなかった。
「ジロ開幕時からこのステージに狙いをつけていたし、とにかく重要だったのは、逃げに乗ること。だから僕は最初の逃げに飛び乗ったし、とうとう最後まで逃げ切った。完璧だった」(ヴェンドラーメ)
本格派クライマーでもピュアスプリンターでもない選手にとっては、おそらく2024年ジロ最後のチャンスだった。スタート直後にあっさり10選手が前方に躍り出た後も、だからこそ多くのチームが、粘り強く加速を続けた。こうして延々30kmにもわたるギリギリの追走劇の果てに、最初の逃げは集団内へと引きずり降ろされる。
回収とほぼ同時に、新たな一団が飛び出した。小さな急坂を利用して、猛烈に仕掛けたのはジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)。この第12ステージ勝者の動きに呼応するように、初日覇者ジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ)に、第6ステージ勝者ペラヨ・サンチェス(モビスター)らも続いた。すでに最初の逃げに潜り込んでいたヴァンドラーメも、改めて流れに乗った。
「未舗装路のステージ(第6ステージ)以降、気管支炎に悩まされてきた。でも諦めず戦い続けた。だってこの区間を、ずっとずっと狙ってきたんだから。まずは逃げに乗ることが目標だった。一旦それを成し遂げた後は、とにかく上手く立ち回ることだけを考えた。できる限りエネルギーを温存し続けた」(ヴェンドラーメ)
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