米10年債利回り5%、テンプルトンが予想-ティー・ロウなどに続く
(ブルームバーグ): 米政府が多額の赤字を埋めるために米国債の発行を増やすため、10年物米国債利回りが5%かそれ以上に上昇する可能性は十分にあると、フランクリン・テンプルトンが予想した。
フランクリン・テンプルトンの債券部門最高投資責任者(CIO)のソナル・デサイ氏は東京でのインタビューで「米10年債利回りが4.5-5%になることは妥当だろう」と述べた。米国の財政赤字が「大幅に膨らむ」と投資家が見れば、米10年債利回りは「5%を上回る」こともあり得ると付け加えた。
デサイ氏は、JPモルガン・アセット・マネジメントやティー・ロウ・プライスに続いて米国債利回り上昇の可能性を警告した。投資家はドナルド・トランプ氏の大統領再選が債券市場にどのような影響を与えるかを織り込み始めている。
5日の大統領選以来、財政赤字が大きく膨らんでも連邦準備制度が利下げを続けることができるかどうかをトレーダーが思案する中、米国債は上下に大きく変動している。
未決済建玉データによると、トレーダーらはすでに、トランプ氏が公約した政策がインフレを再燃させるだろうという予測のもと、米国債のさらなる下落から利益を得るポジションを積み増している。13日に発表される米消費者物価指数(CPI)が予想を上回るインフレの兆候を示せば、空売りがさらに勢い付く可能性がある。
10年物米国債利回りはアジア時間13日に4.42%。大統領選投票日の5日の終値は4.27%だった。トランプ氏の勝利が明らかになった6日には7月以来の高水準となる4.48%まで上昇した。
利回りが「5%を突破するかどうかは、拡大の規模によるだろう」と、デサイ氏は米財政赤字について述べた。5%超の利回りを「経済は恐らく受け入れられるだろう」とも述べた。
原題:Templeton’s Call for 5% Treasury Yield Matches JPMorgan, T. Rowe(抜粋)
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Ruth Carson, Mia Glass