オープンスカイ締結が30か国 6年で急速に進んだ「空の自由化」
格安航空会社の台頭などの効果
都心に近い羽田空港は、その利便性から多くの航空会社が国際線を就航させようと発着枠を求めています。しかし、羽田空港の発着枠は満杯状態です。いくら航空会社が路線開設を希望しても発着枠が空いていなければ路線を開設することはできません。 「オープンスカイで国による規制がなくなったからと言っても、各空港の発着枠には限りがあります。オープンスカイと発着枠を得ることは別の話で、それは航空会社の経営努力ということになります」(同) それでもオープンスカイが推進されて、わずか6年で日本の航空環境は大きく変わりました。近年、格安航空会社が台頭し、気軽に飛行機を利用できる環境が整ったのもオープンスカイによる効果です。 オープンスカイ協定を結んだ国と地域に占める日本発着旅客数は、95%に達しています。先述したカンボジア以外に今年はスペイン、ラオスともオープンスカイ協定を締結しました。空の自由化は、観光・ビジネスのみならず国家間の友好にも大きく寄与します。オープンスカイによって、交流のなかった国との距離がぐっと縮まるかもしれません。 (小川裕夫=フリーランスライター)