優勝2度の名門・常翔学園が花園で1094日ぶり勝利 3回戦で天理と対戦
第104回全国高校ラグビー2回戦(30日、常翔学園81-14高知中央、花園Ⅰ)通算5度の優勝を誇る名門の常翔学園(大阪第3)が、花園で1094日ぶりの勝利をつかんだ。先制トライで勢いづけたNO・8井本章介主将(3年)は声を弾ませた。 「自分(の結果)はどうでもいいと思っているので。チームに貢献できてよかった」 前半6分、パスを受けると右サイドラインを駆け抜け、トライに成功。同25分にはモールを押し込んでトライを決めた。主将の活躍でペースをつかんだチームは前半から順調に得点を重ねて計13トライ(8G)で圧倒。2大会ぶりの聖地でフィフティーンが躍動した。 チームは2022年9月に部員の不祥事が発覚し、日本一に2度導いた野上友一監督が辞任。初の女性指揮官として平池三記監督が就いた同年冬の花園で初戦敗退に終わり、23年秋の花園予選決勝では東海大大阪仰星に敗れて全国への切符を逃した。そして同年11月に就任した白木繁之監督のもと、再始動した。 22年度の花園経験者である井本が主将として新チームのテーマに掲げたのが原点回帰だ。基礎練習を重視し、タックルで倒れた際に相手から遠くへ球を置くメニューを一日中繰り返したことも。そんな基本練習で築いた土台に加え、絆の固さも強さにつながっている。先輩、後輩関係なく仲が良く「みんながのびのびできているのかな」とうなずく。誰から言われるわけでもなく、3年生も率先して荷物運びも行うなど分け隔てない関係性が団結力を生み、花園での勝利につながった。 3回戦で対戦する天理(奈良)は10月の練習試合で大差で敗れた因縁の相手で「悔しい思いがあるのでやり返したい」とリベンジに燃える。2012年度以来となる悲願の全国制覇へ、常翔学園の戦いは続く。(織原祥平)